国立大学法人 岡山大学

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中枢神経ランビエ絞輪形成機構解明に大きな進展

2013年05月29日

 本学大学院医歯薬学総合研究科の大橋俊孝准教授とベイラー医科大学 Matthew Rasband教授、薄敬一郎研究員らの国際共同研究グループが、神経細胞の電気的興奮が飛ぶようにして伝わる(跳躍伝導)のに重要なランビエ絞輪の形成機構を世界で初めて突き止めました。本研究成果は2013年5月8日に米国の科学雑誌『Neuron』に掲載されました。
 神経細胞の情報伝達機構の解明につながる大きな成果であり、将来機能的な神経再生を行うための重要な情報になると期待されます。
<業績>
 本研究成果は岡山大学大学院医歯薬学総合研究科の大橋俊孝准教授と、ベイラー医科大学Rasband教授をはじめとする国際共同研究チーム(計14名)による成果です。
 神経細胞には電気的な興奮が飛ぶようにして伝わる跳躍伝導という仕組みが備わっています。その興奮の伝導には、神経線維(軸索)を覆う鞘(絶縁体の役目)と鞘の切れ目に、ランビエ絞輪と呼ばれる部分が重要です。またその部分には、興奮を伝えるための電位差を発生させるナトリウムイオンチャンネルが高密度に分布する必要があります。大橋俊孝准教授は、これまでに中枢神経のランビエ絞輪の細胞外の部分に特殊な細胞外マトリックス構造が存在し、跳躍伝導速度を調節していることを見出していました。さらに、細胞外マトリックスの分子の一部は軸索側の分子と結合を示すことがわかってきました。
 そこで、同准教授と共同研究グループは、ランビエ絞輪のナトリウムチャンネルが集積する機序に細胞外マトリックス分子と軸索側分子や鞘の部分の分子が共同して関わっているという仮説を立てました。複数の遺伝子変異マウスを交配させ、これらの遺伝子が組み合わせで欠損したマウスを作製することにより、その仮説を証明しました。

<見込まれる成果>
 私たちの体には大きく分けて中枢神経と末梢神経が存在します。今回の研究では、中枢神経のランビエ絞輪の形成メカニズムの理解に大きく貢献したことになります。末梢神経のランビエ絞輪の構造も、共通の部分と異なった部分がありますが、形成メカニズムがわかりつつあります。これらの研究成果は今後進むと思われる神経再生研究におい
て、機能的な再生を行うための重要な情報となります。

<補足>
細胞外マトリックスは、細胞と細胞の間に存在するタンパク質で、コラーゲン、ヒアルロン酸、プロテオグリカンなどが有名である。脳には、ヒアルロン酸、プロテオグリカンなどが多く存在している。

 本研究は日本学術振興会(JSPS)科研費新学術領域研究(神経糖鎖生物学)の助成を受け実施しました。

リンク先アドレス
http://www.sciencedirect.com/science/article/pii/S0896627313002298

報道発表資料はこちらをご覧ください

添付資料はこちらをご覧ください

<お問い合わせ先>
 岡山大学大学院医歯薬学総合研究科
准教授 大橋 俊孝
(電話番号)086-235-7128
(FAX番号)086-222-7768

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