国立大学法人 岡山大学

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「TAFRO症候群」がキャッスルマン病と異なる疾患であることを証明-新規診断基準の確立や有効な治療法開発の糸口に-

2016年04月21日

 岡山大学大学院保健学研究科の佐藤康晴教授、富山赤十字病院血液内科の岩城憲子医師らの研究グループは、TAFRO症候群に特徴的な病理所見があることを見いだし、キャッスルマン病とは異なる独立した疾患単位であることを明らかにしました。本研究成果は1月22日、米国学術雑誌「American Journal of Hematology」に掲載されました。
 軽度のリンパ節腫脹や肝脾腫を伴い、発熱、胸・腹水や血小板減少が急激に進行し、時に死に至る全身性炎症性疾患の存在が、近年、特に日本から報告されています。本疾患はTAFRO症候群と呼ばれ、キャッスルマン病と類似したリンパ節病理像を示すということが知られていますが、キャッスルマン病と異なる疾患かどうかは明らかになっていませんでした。
 本研究で、TAFRO症候群が臨床像、病理学的にキャッスルマン病と明らかに異なった疾患単位であることが証明されました。本研究成果は、TAFRO症候群の診断基準の確立や新規治療法の開発、病態メカニズムの解明の糸口に繋がるものと期待されます。

【図1】TAFRO症候群とキャッスルマン病との相違点  ALP; アルカリホスファターゼ


<詳しい研究内容について>
「TAFRO症候群」がキャッスルマン病と異なる疾患であることを証明-新規診断基準の確立や有効な治療法開発の糸口に-

<論文情報>
論 文 名:Clinicopathologic analysis of TAFRO syndrome demonstrates a distinct subtype of HHV-8-negative multicentric Castleman disease.掲 載 誌:American Journal of Hematology 2016; 91 (2): 220-226.著   者:Iwaki N, Fajgenbaum DC, Nabel CS, Gion Y, Kondo E, Kawano M, Masunari T, Yoshida I, Moro H, Nikkuni K, Takai K, Matsue K, Kurosawa M, Hagihara M, Saito A, Okamoto M, Yokota K, Hirakawa S, Nakamura N, Nakao S, Yoshino T, Sato Y.D O I:10.1002/ajh.24242

<お問い合わせ>
岡山大学大学院保健学研究科
教授 佐藤 康晴
(電話番号)086-235-7150
(FAX番号)086-235-7156

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