国立大学法人 岡山大学

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人工網膜の医師主導治験に向けての有効性を証明~岡山大学方式人工網膜「OUReP(TM)」がラットの視覚誘発電位を改善~

2017年03月08日

 岡山大学大学院医歯薬学総合研究科(医)眼科学分野の松尾俊彦准教授とアラムス非常勤研究員、同研究科脳神経機構学分野の細谷修助教、同大学院自然科学研究科(工)高分子材料学分野の内田哲也准教授の医工連携研究グループは、“世界初の新方式”である岡山大学方式の人工網膜OURePTMが、ラットの視覚を回復することを視覚誘発電位によって初めて証明しました。本研究成果は2月8日、日本人工臓器学会の英文雑誌『Journal of Artificial Organs』に掲載されました。
 また、同大学院医歯薬学総合研究科博士課程の劉詩卉(Liu Shihui)大学院生、松尾准教授、細谷助教、内田准教授のグループは、OURePTMの部材として使用している光電変換色素には、ラットの視細胞死を抑制する神経保護作用があることを世界で初めて証明しました。本研究成果は1月13日、米国の科学雑誌『Journal of Ocular Pharmacology and Therapeutics』に掲載されました。
 OURePTMは色素結合薄膜型の人工網膜であり、2013年にアメリカで販売開始されたカメラ撮像・電極アレイ方式とはまったく異なる技術の“世界初の新方式”です。現在、独立行政法人医薬品医療機器総合機構(PMDA)と薬事戦略相談を積み重ね、医薬品・医療機器等法(旧薬事法)に基づく医師主導治験を岡山大学病院で実施する準備を進めています。
 治験機器である人工網膜には極めて高い安全性、有効性、品質管理が求められており、研究の種(シーズ)の段階では、患者のもとへ届けることができません。本研究成果によって、人工網膜の有効性がさらに示されたことになり、患者のもとへ届ける医師主導治験の実施への階段を確実にまた一歩上がりました。



人工網膜の医師主導治験に向けての有効性を証明~岡山大学方式人工網膜「OURePTM」がラットの視覚誘発電位を改善~

【論文情報1】タイトル:Visual evoked potential in RCS rats with Okayama University-type retinal prosthesis (OUReP™) implantation. 著  者:Alamusi, Toshihiko Matsuo, Osamu Hosoya, Tetsuya Uchida
掲 載 誌:Journal of Artificial Organs
掲 載 号:08 February 2017 (First Online)
D O I:10.1007/s10047-016-0943-4

【論文情報2】
タイトル:Photoelectric Dye Used for Okayama University-Type Retinal Prosthesis Reduces the Apoptosis of Photoreceptor Cells. 著  者:Shihui Liu, Toshihiko Matsuo, Osamu Hosoya, Tetsuya Uchida
掲 載 誌:Journal of Ocular Pharmacology and Therapeutics
掲 載 号:January 13, 2017 (Online Ahead of Print)
D O I:10.1089/jop.2016.0093


<お問い合わせ>
岡山大学大学院医歯薬学総合研究科(医)
眼科学分野 准教授 松尾 俊彦
(電話番号)086-235-7297
(FAX番号)086-222-5059
(URL)岡山大学大学院医歯薬学総合研究科 眼科学講座


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