光照射 NMR 技術によるタンパク質の光中間体構造の検出に成功〜光を利用して働くタンパク質のダイナミックな構造変化の理解につながる成果~
2018年07月04日
横浜国立大学の内藤 晶 名誉教授、川村 出 准教授、上田一義 教授、槇野義輝博士、岡山大学 須藤雄気教授、神戸薬科大学 和田昭盛教授、沖津貴志講師、北海道大学 加茂直樹名誉教授らの研究グループは、光照射型-固体核磁気共鳴分光(NMR)装置を用いて、ロドプシンタンパク質の一つであるフォボロドプシンが光吸収後に生成する複数の光中間体のレチナールの構造を解明しました。この成果によって、タンパク質が機能を発現するために必要なダイナミックな構造変化を明らかにすることが期待されます。
本研究成果は米国生物物理学会誌Biophysical Journal, vol. 115 (1) (7 月3 日号, 米国)に発表され、その表紙を飾りました。なお、本研究成果は科学研究費補助金 基盤研究(B) 基盤研究(C), 新学術領域研究, 特別研究員奨励費, CREST, AMED の支援のもとに行われました。
本研究成果は米国生物物理学会誌Biophysical Journal, vol. 115 (1) (7 月3 日号, 米国)に発表され、その表紙を飾りました。なお、本研究成果は科学研究費補助金 基盤研究(B) 基盤研究(C), 新学術領域研究, 特別研究員奨励費, CREST, AMED の支援のもとに行われました。
◆本研究のポイント
・フォボロドプシンが生成する中間体のレチナールの NMR 信号の検出に成功
・実験的に観測した NMR 信号を計算化学によって説明
・多くのロドプシン類タンパク質の機能発現のメカニズムの理解に貢献する
図1. 光照射-固体 NMR 測定の概略図
高分解能化技術の一つであるマジック角回転条件でのロドプシン試料への光照射のイメージ。B0は NMR 磁石の磁場方向、54.7°に傾けた筒状の試料管にタンパク質が充填してある。
図2. フォボロドプシンとその発色団であるレチナール。
図3. 今回の光照射 NMR 実験によって判明した光中間体の構造と反応経路。
<詳しい研究内容について>
光照射NMR 技術によるタンパク質の光中間体構造の検出に成功〜光を利用して働くタンパク質のダイナミックな構造変化の理解につながる成果~
<本件お問い合わせ>
岡山大学大学院医歯薬学総合研究科
教授 須藤 雄気
(電話番号)086-251-7945