国立大学法人 岡山大学

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神経活動を操作する光スイッチタンパク質の開発

2020年07月22日

◆発表のポイント

  • 光で動物の神経活動を制御する技術・光遺伝学が開発され、脳神経活動の理解が進んでいます。
  • 神経活動の「オフ」と「オン」を光でスイッチできる人工タンパク質を開発しました。
  • 今後、神経活動を光により自由自在に操作することで、睡眠障害などの疾患への適用や新薬の開発が大いに期待できます。

 岡山大学大学院医歯薬学総合研究科(薬)の須藤雄気教授、小島慧一助教、三好菜月大学院生(当時)、名古屋大学環境医学研究所の山中章弘教授、東京大学先端科学技術研究センターの石北央教授らの共同研究グループは、神経活動の「オフ」と「オン」を光でスイッチできる人工タンパク質を創成することに世界で初めて成功しました。本研究成果は、アメリカ化学会誌「The Journal of Physical Chemistry Letters」電子版(現地時間(米国東部標準時):7月22日8:30、日本時間:同日21:30)に掲載されました。
 本研究成果により、動物の神経活動を光で自由自在に操作することが可能となります。今後は、ヒトの脳神経活動の理解や、記憶や睡眠障害など神経疾患の治療法や新薬の開発が大いに期待されます。

◆研究者からのひとこと

 自然界に存在するタンパク質を人為的に変化させ、これまでにない新しいタイプの分子を作ることができました。
将来的にはこの分子を使って(!?)、夜に緑色光を浴びることで快適な眠りが可能になり、朝に赤色を浴びることで目覚めよく起きられる!という生活が可能になるかもしれません。

小島助教

■論文情報論 文 名:Green-Sensitive, Long-Lived, Step-Functional Anion Channelrhodopsin‑2 Variant as a High-Potential Neural Silencing Tool掲 載 紙:The Journal of Physical Chemistry Letters著  者:Keiichi Kojima, Natsuki Miyoshi, Atsushi Shibukawa, Srikanta Chowdhury, Masaki Tsujimura, Tomoyasu Noji, Hiroshi Ishikita, Akihiro Yamanaka, and Yuki SudoD O I:10.1021/acs.jpclett.0c01406


<詳しい研究内容について>
神経活動を操作する光スイッチタンパク質の開発


<お問い合わせ>
岡山大学大学院医歯薬学総合研究科(薬)
教授 須藤 雄気(すどう ゆうき)
TEL:086-251-7945 

岡山大学大学院医歯薬学総合研究科(薬)
助教 小島 慧一(こじま けいいち)
TEL:086-251-7980

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