国立大学法人 岡山大学

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骨を溶かすほどのラブが重要!破骨細胞における小胞輸送に必要なタンパク質の新機能を解明!

2020年12月17日

◆発表のポイント

  • 骨を破壊する働きを持つ破骨細胞の中で分子を運ぶ小胞輸送には、Rab(ラブ)11Aが重要な働きをする事を解明しました。
  • Rab11Aは、破骨細胞が成熟していく過程で必要不可欠な細胞表面の受容体を効率的に再利用するリサイクルシステムを負に制御していました。
  • Rab11Aの機能解明は、骨を吸収する歯周病や顎骨壊死の発病因子・病態メカニズムの解明に繋がります。

 岡山大学大学院医歯薬学総合研究科 歯科薬理学分野の岡元邦彰教授と米国ハーバード大学の奥舎有加リサーチフェロー(元岡山大学大学院医歯薬学総合研究科 助教)らの研究グループは、破骨細胞の小胞輸送におけるRab11Aの新規の機能を明らかにしました。
 細胞内の物質は、小胞の中に含まれる形で24時間365日、適材適所に細胞内を移動しています。小胞が細胞内を移動する時に必要不可欠なタンパク質がRabファミリータンパク質であり、その中でもRab11Aは破骨細胞表面に発現する受容体を効率的に再利用するリサイクルシステムを負に抑制していることを明らかにしました。Rabタンパク質の機能解明は、骨を吸収する歯周炎や顎骨壊死の病態を解明する一助になると確信します。
 これらの研究成果は10月31日、学術雑誌「Cells」のResearch Articleとして掲載されました。

◆研究者からのひとこと

破骨細胞を染色すると下の写真のようにほんのり薄ピンクに染まります。日本の春を代表する桜の花に似ていませんか?私はその瞬間がたまらなく好きで、実験を継続するモチベーションの一つになりました。本研究成果をもとに今後も研究活動を頑張っていきたいと思います。
奥舎リサーチフェロー

■論文情報
論 文 名:Rab11A Functions as a Negative Regulator of Osteoclastogenesis through Dictating Lysosome-Induced Proteolysis of c-fms and RANK Surface Receptors掲 載 紙:Cells著  者:Yuka Okusha, Manh Tien Tran, Mami Itagaki, Chiharu Sogawa, Takanori Eguchi, Tatsuo Okui, Tomoko Kadowaki, Eiko Sakai, Takayuki Tsukuba and Kuniaki Okamoto D O I:10.3390/cells9112384.
U R L:https://doi.org/10.3390/cells9112384


<詳しい研究内容について>
骨を溶かすほどのラブが重要!破骨細胞における小胞輸送に必要なタンパク質の新機能を解明!

<お問い合わせ>
岡山大学大学院医歯薬学総合研究科 歯科薬理学分野
教授 岡元 邦彰 
(電話番号) 086-235-6660
(FAX) 086-235-6664

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