国立大学法人 岡山大学

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岡山大学病院で新しい歯科局所麻酔剤の医師主導治験を開始

2021年05月27日

◆発表のポイント

  • 岡山大学病院が主管し、全国10施設で新しい歯科用局所麻酔剤の医師主導治験が始まります。
  • この治験が順調に進み、新薬として承認されると、日本での新しい歯科用局所麻酔剤の誕生は約20年ぶりになります。
  • 痛みのない歯科治療のための麻酔薬として、体に蓄積しにくく、高い安全性が期待されます。

 岡山大学病院 歯科(歯科麻酔科部門)が主管となって、全国10施設(予定)で新しい歯科用局所麻酔剤「アルチカイン製剤:OKAD01)の医師主導治験(第Ⅲ相試験)が2021年6月より始まります。これまで岡山大学病院で第I相試験、第Ⅱ相試験が行われ、一定の有効性(麻酔効果)や安全性は確認されていますが、今回の第III相試験では、現在日本でよく使用されている歯科用麻酔剤と比較します。今回の治験でさらに有効性と安全性が確認されたら、新薬として国に申請されることになります。
 歯科治療は痛みを伴うことが多いため、歯科にとって局所麻酔はなくてはならない処置であり、麻酔薬自体の有効性と安全性はとても大切です。注射針を刺すときの痛みを減らすために、非常に細い針を使用したり、麻酔薬を入れる圧力を調整したりして、できるだけ痛みが少なくなるよう配慮されていますが、今回開発する新しい麻酔薬は、世界で広く使用されており、より安全性が高いことが期待されています。
 中四国地方で唯一の臨床研究中核病院である岡山大学病院は、様々な臨床研究の成果を社会に還元しています。この医師主導治験もその一環で、日本の歯科医療の発展に貢献することになります。

◆研究者からのひとこと

 日本で新しい薬を認めてもらうには、「治験」という試験(臨床研究)が必要です。企業が主体で行ういわゆる「企業治験」はよくされていますが、この薬は「医師主導治験」として私が一から始めました。ここまで約8年、山あり谷ありでしたが、岡山大学病院 新医療研究開発センターの方々、製薬企業の担当者の方々など、いろんな方々に助けてもらってやっとここまできました。日本の医薬品の承認は慎重で、しっかりされていますので、この薬が承認されたら、質の高い新薬として、国民の健康に貢献できると思います。

<詳しい研究内容について>
岡山大学病院で新しい歯科局所麻酔剤の医師主導治験を開始

<お問い合わせ>
岡山大学病院 歯科(歯科麻酔科部門)
教授  宮脇 卓也
(電話番号)086-235-6721
(FAX)086-235-6721

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