国立大学法人 岡山大学

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ウィルスの拡散防止する行動獲得のためのVR教育コンテンツの開発

2021年05月27日

◆発表のポイント

  • バーチャル・リアリティ(VR)技術によって生み出された仮想空間内で医療行為を通したウィルスの拡散・伝播状況を疑似体験することで、現実世界における医療従事者の感染対策行動を促す教育コンテンツを開発しました。
  • 現状では、病室の環境清拭用コンテンツを通してウィルスの付着や除去の状況が確認できます。
  • 今後、様々なシチュエーションを想定し教育コンテンツを充実することで、院内感染対策への貢献が期待されます。

 岡山大学学術研究院医歯薬学域 萩谷英大 准教授、ヘルスシステム統合科学学域 五福明夫 教授、工学部創造工学センター 柴田光宣 技術専門職員、廣田聡 技術職員の研究グループは、医療従事者の感染対策意識を向上させるためのツールとして、バーチャルリアリティ(VR:Virtual Reality) を適用した教育コンテンツを開発しました。本コンテンツでは、市販の VR システムを用い、通常目に見えないウィルスを仮想空間内の医療環境において視覚化しました。この仮想空間内で実際の医療現場で行われる診療・看護を行い、医療行為を通したウィルスの拡散・伝播状況を疑似体験することで、現実世界における手指衛生等の適切な感染対策の実施を促すことを目的としています。これまでに、病室の環境清拭用コンテンツを開発しましたが、順次、薬・文書の病室内配送、点滴バッグ交換、点滴ライン確保、手術創部観察・ガーゼ交換、尿量測定、おむつ交換などの様々なシチュエーションを想定したコンテンツを開発し、医療従事者向けの教育プログラムの開発へと発展させる予定です。

◆研究者からのひとこと

新型コロナウイルス感染症のパンデミックは、医療従事者全般における基本的な感染対策の重要性を浮き彫りにしました。VR 技術を用いて医療環境における微生物の伝播状況を疑似体験することで、現実世界での行動改善につながることを期待しています!
萩谷准教授
この教育コンテンツを試用した時、手指衛生に気をつけた行動を採らないと、こんなにあちこちにウィルスが付着するのかと愕然としました。まだまだ研究開発すべき点は多いですが、この教育コンテンツにより、急ぎの場合でもウィルスができるだけ拡散しない行動を医療従事者が無意識に採れて院内感染を防ぐことに役立てば嬉しいです。
五福教授

<詳しい研究内容について>
ウィルスの拡散防止する行動獲得のためのVR教育コンテンツの開発

<お問い合わせ>
学術研究院 ヘルスシステム統合科学学域教授 五福 明夫
(電話番号)086−251−8022
(FAX)086−251−8024

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