◆発表のポイント
- 岡山大学病院の前田嘉信病院長、櫻井淳次世代医療機器開発部長と株式会社三幸製作所はディスポーザブル(使い捨て)バッグを使用した吸引器を開発し、令和3年2月25日に販売を開始しました。
- これまでのリユースタイプ吸引器に比べ、医療従事者等の消毒・滅菌作業等の負担を軽減することが可能です。
- ディスポーザブルバッグを使用するので、キャニスター洗浄時の感染リスクを低減し、“ウィズコロナ時代の医療従事者の感染予防”に貢献できます。
岡山大学病院と医療機器メーカーの株式会社三幸製作所(さいたま市西区)は、たんや唾液等の分泌物を吸い取るリユースタイプの吸引器に、独自のディスポーザブル(使い捨て)バッグを装着して使用する新製品を開発し、令和3年2月25日に販売を開始しました。
これまでの海外製使い捨てバッグに代わって、ディスポーザブルバッグを開発するのにあたり、岡山大学病院と三幸製作所は共同研究契約を締結し、医療従事者等へのヒアリングを行って製品を開発しました。
使い捨てバッグを使用することにより、医療従事者等が行うリユースタイプでの分泌物の廃棄、キャニスター等の消毒や滅菌等の煩雑な作業負担を軽減させるばかりでなく、コロナ禍でのキャニスター洗浄時の感染リスク低減や感染予防、さらに災害時の断水等、防災や危機管理の観点からも有効です。
さらに、在宅介護や介護施設でのニーズにも応え、持ち運びが可能な電動吸引器のディスポーザブルタイプも同時発売しました。
◆研究者からのひとこと
一般的な壁掛吸引器では上部が開閉式になっていますが、「使用後のキャニスターやバッグを取り出しにくい」という医療従事者の声を受け、吸引器の側面に開閉部(扉)を付ける構造に変更しました。これにより、ディスポーザブルバッグを装着・取り出しやすくなり、医療従事者等の操作性や安全性を高めることができました。また、「吸引部配管のキャニスターへの誤接続によって、吸引部の壁配管への浸入が生じた」という声を参考に、複雑ではないシンプルな構造を採用しました。 | ヒアリングの様子 |
<詳しい研究内容について>
ディスポーザブルバッグを使用した吸引器を開発~医療従事者等の負担軽減、感染予防へ~
<お問い合わせ>
<研究に関するお問い合わせ>
岡山大学病院新医療研究開発センター
次世代医療機器開発部・部長 櫻井 淳
(電話番号)086-235-6979
<壁掛吸引器DS-1000に関するお問い合わせ>
株式会社三幸製作所
総合業務部 営業企画
(電話番号)048-624-8121