国立大学法人 岡山大学

LANGUAGE
ENGLISHCHINESE
MENU

がん治療に向かう子どものために妊孕性・生殖機能温存治療の情報を伝えるパンフレット『これから治療を受けるあなたへ』の男子編と女子編が完成

2021年10月26日

◆発表のポイント

  • がんの化学療法や放射線療法により、精子や卵子、卵巣を作る機能が低下してしまうことがあります。
  • がん治療を乗り越えた方が将来子どもをもつ時のために、がん治療前に精子や卵子、卵巣を採取し凍結保存しておく「妊孕性・生殖機能温存治療」という方法があります。
  • 今までなかった、がん治療を受ける子ども向けの冊子を作成し、がん診療を行う医療施設への配布を始めます。

 男性が子どもを持つためには、精巣の中で作られる精子が必要です。また、女性が子どもを持つためには、卵巣の中で作られる卵子が必要です。がんの治療である化学療法(抗がん剤治療)や放射線療法を行うと、精巣や卵巣がダメージを受け、精子や卵子の数が減少し、将来、子どもを持つことができなくなることがあります。
 近年、医学の進歩とともに、がんを克服し、その後に子どもを持つことを希望する方々が増えています。これからがんの治療を受ける子どもやそのご家族は、がん治療のことで頭がいっぱいとなり、将来のことまで考えられないかもしれません。しかし、精子や卵子、卵巣を凍結保存しておくと、将来体外受精などの生殖医療によって子どもをもつことが可能になります。しかし、このような方法があることを知らずに生殖機能を失い、後悔している方もいます。
 今回、岡山大学病院リプロダクションセンターの小児科スタッフなどが中心となり、これからがん治療に向かう子どもに向けて、わかりやすい言葉で生殖機能温存について解説するパンフレット『これから治療を受けるあなたへ』の男子編と女子編を作成しました。
 これらのパンフレットがきっかけとなり、本人もご家族も妊孕性・生殖機能温存するかどうかを選択した上でがん治療に向かうこと、また、がん克服後に子どもを持つことにつながればと思います。

◆研究者からのひとこと

岡山大学病院リプロダクションセンターでは、がん患者の妊孕性温存治療を行うとともに、この治療を広く知っていただくための活動をしています。

  「がんと生殖医療ネットワークOKAYAMA」代表
  岡山大学病院リプロダクションセンター センター長
  岡山県不妊専門相談センター センター長
                    中塚幹也


<詳しい研究内容について>
がん治療に向かう子どものために妊孕性・生殖機能温存治療の情報を伝えるパンフレット『これから治療を受けるあなたへ』の男子編と女子編が完成

<お問い合わせ>
岡山大学大学院保健学研究科 中塚研究室
岡山大学生殖補助医療技術教育研究(ART)センター
教授 中塚 幹也
(電話番号)086-235-6538(FAX兼)


年度