◆発表のポイント
- 近年、フレイル(加齢に伴う心身の虚弱)が注目を集めています。フレイルは要介護になる前の段階で、健康な状態に戻ることも可能であると言われています。また、口の機能のわずかな衰えをオーラルフレイルといいます。
- 今回の調査において、舌がよく動く人は栄養状態が良好であり、身体が元気であることがわかりました。
- 舌をしっかり動かすことで、フレイルを予防・改善できる可能性があります。
岡山大学病院歯科・予防歯科部門の澤田ななみ医員、岡山大学学術研究院医歯薬学域予防歯科学分野の森田学教授らの研究グループは、自立高齢者において、1秒間に発音できる「タ」と「カ」の回数が多いと栄養状態が良好であり、栄養状態が良好であるとフレイルの者が少ないことを明らかにしました。この研究成果は、2021年10月2日、イギリスの学術雑誌「Gerodontology」にオンライン掲載されました。
本研究の結果から、舌の運動機能を維持することで、フレイルを予防できる可能性が示唆されました。これは介護予防にもつながり、健康長寿社会を目指す日本において、健康寿命を延伸する一助となる可能性もあります。
◆研究者からのひとこと
身体の健康とお口の健康はつながっています!元気な身体で楽しい人生を過ごすためにも、むし歯や歯周病といった病気の側面に注目するばかりでなく、お口の機能の面も大事にしていただきたいです。 | 澤田医員 |
■論文情報
論 文 名:Oral function, nutritional status, and physical status in Japanese independent older adults
掲 載 紙:Gerodontology
著 者:Nanami Sawada, Noriko Takeuchi, Daisuke Ekuni, Manabu Morita
D O I:10.1111/ger.12593
<詳しい研究内容について>
舌がよく動く人は栄養状態が良好で身体が元気!
<お問い合わせ>
岡山大学学術研究院医歯薬学域(歯)予防歯科学分野
教授 森田 学
(電話番号)086-235-6712 (FAX)086-235-6714