国立大学法人 岡山大学

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歯がすり減るのは寝ている時の歯ぎしりだけが原因ではない!?起きている時にも原因が!

2022年02月17日

◆発表のポイント

  • 咬耗(歯のすり減り)は睡眠中の歯ぎしりだけでなく日中に無意識に行っているかみしめが関係している可能性があることが分かりました。
  • 本研究結果によって算出された数値によって、咬耗の重症化リスクを予測することができる可能性があります。

 岡山大学病院歯科(補綴歯科部門)の北川佳祐医員(大学院生)、兒玉直紀講師、岡山大学学術研究院医歯薬学域(歯)咬合・有床義歯補綴学分野の皆木省吾教授らの研究グループは、咬耗(歯のすり減り)とかみしめに関する研究を行いました。
 過度なかみしめは、虫歯や歯周病と同様に歯を失う原因の一つです。睡眠中の歯ぎしりによって咬耗が生じることは一般的に広く知られており、マウスピースを使用すれば進行を抑制できます。しかし、咬耗の進行には日中のかみしめも大きく関係している可能性があることが、われわれの研究で明らかになりました。
 研究グループは、普段通りの生活を送りながらかみしめている時間を計測できる機器を開発し、これまでの研究で、日中のかみしめと歯周病の進行や咬み合わせの崩壊との関連を明らかにしており、さらにこのたび咬耗とも深く関連していることが分かりました。
日中のかみしめは無意識のうちに行っていることが多く、それを減らすことが歯を守ることに繋がると考えられます。
 本研究結果を用いて、将来的に咬耗により歯の見た目が悪くなったり、食事をしにくくなったりするリスクを抱えている人々の重症化を予防していくことが期待されます。
この研究成果は、補綴歯科分野で世界的に有名な英文誌である「Journal of Prosthodontic Research」に2021年12月24日に掲載されました。

◆研究者からのひとこと

睡眠中の歯ぎしりが世間ではよく知られている中で、日中の無意識のかみしめの存在は未だにあまり知られていません。
コロナ禍でストレスが増えるとかみしめが増える可能性も懸念されるので、より多くの人に日中のかみしめのリスクを認識してもらえたら良いなと思います。

北川 医員

■論文情報
論 文 名: Effect of masseter muscle activity during wakefulness and sleep on tooth wear
邦題名「覚醒時および睡眠時における咬筋筋活動が歯の咬耗に及ぼす影響」

掲 載 紙: Journal of Prosthodontic Research
著  者: Keisuke Kitagawa, Naoki Kodama, Yousuke Manda, Keitaro Mori, Hiroshi Furutera, Shogo Minagi
D O I: https://doi.org/10.2186/jpr.JPR_D_21_00171
U R L: https://www.jstage.jst.go.jp/article/jpr/advpub/0/advpub_JPR_D_21_00171/_article/-char/ja/


<詳しい研究内容について>
歯がすり減るのは寝ている時の歯ぎしりだけが原因ではない!?起きている時にも原因が!

<お問い合わせ>
岡山大学学術研究院医歯薬学域(歯)咬合・有床義歯補綴学分野
教授 皆木 省吾
(電話番号)086-235-6687  (FAX) 086-235-6689

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