国立大学法人 岡山大学

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海洋プラスチックの撲滅を目指して、アジア最大の湖で水上集落の住民参画型プラスチックごみ分別に取り組む!

2022年06月30日

◆発表のポイント

  • 海洋プラスチック汚染の原因に、生活ごみの水域への投棄があります。
  • カンボジア・トンレサップ湖の水上集落でプラスチックごみの分別収集システムを実装します。
  • 現地で分別推進チームを結成して教育するとともに、市民の啓発にも力を入れます。

 海洋プラスチック汚染の1つの原因として、アジア諸国から多くのプラスチックごみが海洋へ流出している事実があります。アジア最大の湖であるトンレサップ湖はカンボジア王国の中央にあり、百万人とも言われる低所得者の人々が水上に集落を作って暮らしています。そこにはごみの収集サービスが無いため、ごみは湖に捨てられています。大学院環境生命科学研究科附属低炭素・廃棄物循環研究センターの藤原健史教授の研究室ではJICA草の根協力事業「カンボジア・トンレサップ湖における水上集落住民参画型プラスチック汚染対策」を立ち上げ、水上集落を対象にその地に適したプラスチックごみの分別回収システムを提案し、そのシステムを実装することを目的としています。市民にごみ分別への積極的な参加を促すために村落の中でごみ分別推進チームを結成し、チームリーダを岡山市に招いて日本のごみ分別方式について研修を行ったり、市民啓発用のマニュアル作りや、現地での市民説明会及び講習会を行って、プラスチックごみ分別を試行します。人々に環境意識を持ってもらいながら分別収集に協力してもらい、集めたプラスチックごみのリサイクル収益により収集費用を賄うことを考えています。

◆研究者からひとこと

 海洋プラスチック問題は、太平洋に流入したプラスチックが長期にわたって滞留し、生態系に影響を与え続けることから早急な対策が求められています。事業対象の水上集落ではごみを湖に捨てているため、プラスチックごみを投棄させないことが必要です。われわれは、現地住民が積極的に参加するプラスチックごみ分別回収システムを実装します。
藤原教授

■研究資金
 本研究は、JICAの支援を受けて実施します。
草の根協力事業「カンボジア・トンレサップ湖における水上集落住民参画型プラスチック
汚染対策事業」(草の根協力型)

<詳しい研究内容について>
海洋プラスチックの撲滅を目指して、アジア最大の湖で水上集落の住民参画型プラスチックごみ分別に取り組む!

<お問い合わせ>
岡山大学学術研究院環境生命科学学域
(大学院環境生命科学研究科附属
低炭素・廃棄物循環研究センター)
教授 藤原 健史
(電話番号)086-251-8994
(FAX)086-251-8994

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