国立大学法人 岡山大学

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3億キロ離れた小惑星「リュウグウ」から採取した試料を一般公開!

2021年07月07日

 令和2年12月、3億キロ離れた小惑星「リュウグウ」から採取した地下物質が地球に到着しました。本学では、自然生命科学研究支援センターの中村栄三特任教授がチームリーダーとなり、三朝キャンパスに構築した地球惑星物質総合解析システム(CASTEM)を用い、「はやぶさ2」が持ち帰った微粒子試料の初期総合解析も担っています。
 7月3~4日、はやぶさ2のミッション成功の軌跡などを紹介する鳥取県主催のイベント「スペースサイエンスワールド星取県」が、鳥取市とりぎん文化会館と岡山大学惑星物質研究所(三朝キャンパス 以下、惑星研)を会場に開催されました。(後援:三朝町・岡山大学)
 とりぎん文化会館では、はやぶさ2の探査の歩みを示したパネル展示に加え、三朝町に設置されたデジタル光学顕微鏡と走査電子顕微鏡を遠隔操作し、惑星研にある小惑星リュウグウ試料を一般の方々に見ていただく試みを行い、31組81人に参加いただきました。リュウグウ試料の一般公開は全国的にも初めての試みであり、来場者からも高い評価をいただきました。また、この一般公開は、国立大学イノベーション創出環境強化事業のCASTEM 24 Remoteによって整備したネットワーク基盤を用いており、近々一般企業にも利用開放予定の、機器遠隔利用の有効性を実証する機会となりました。
 4日には、惑星研を会場に、津田雄一JAXA宇宙科学研究所教授・はやぶさ2プロジェクトマネージャー(PM)、稲谷芳文JAXA宇宙科学研究所参与、土井孝雄京都大学特定教授・宇宙飛行士、中村栄三岡山大学特任教授、そして平井伸治鳥取県知事による基調講演/スペシャルトークセッションが開催されました。
 平井鳥取県知事からは、星取県を標榜する鳥取県として行った鳥取県中部地震(平成28年10月28日)により被災したCASTEMへの支援が、リュウグウ試料の解析という研究活動へ繋がっていることへの感嘆と今後の研究発展へのエールをいただきました。続いて、本学那須保友研究担当理事・副学長が惑星研の成り立ちの紹介とともに、リュウグウ試料解析への意気込みなどを紹介しました。
 津田教授による基調講演では、はやぶさ2プロジェクトの一連の経緯について普段聞くことができない裏話や未公開動画を交えての紹介があったほか、プロジェクトを支えるチームの重要性やそれを支える哲学、日本の惑星探査の将来に関する講演が行われました。中村特任教授からは、リュウグウ試料解析の実施体制と解析状況の説明に加え、その科学的知見を将来の人類の宇宙利用にどのように生かすのか、というアイデアが示されました。これを受け、稲谷参与より、月面での人類定住環境構築に関して、技術的な側面だけでなく経済的な考察を踏まえた方向性が示され、そして土井特定教授による火星環境における樹木の成長に関する実験的考察とその地球外環境における資源化についての講演が行われ、人類の次の一歩となるであろう地球外環境での社会構築が議論されました。オンライン視聴者からは、チャットで質問があがるなど、オンラインならではの特徴を生かしたイベントとなりました。津田教授からは、「何事にも一歩踏み出すことが大事である」とメッセージをいただきました。コロナ禍という状況を踏まえ無観客ではありましたが、パネリストが一堂に会し、YouTubeによるライブ中継で250人を超える同時視聴者数がありました。
 鳥取県は、日本で有数の星空観測好適地であり、それに関連した地域経済の活性化や鳥取砂丘を起点としたスペース産業創成に取り組まれています。三朝キャンパスにある惑星研とは、これまでにも惑星探査に関するイベントを共催するなど、学術を基盤とした情報発信にかかわる連携があることから、今回のイベントが実現しました。



【本件問い合わせ先】
岡山大学 研究推進機構 企画戦略室
TEL:086-251-8456

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