本学大学院ヘルスシステム統合科学研究科博士前期課程2年で、岡山大学発ベンチャー・株式会社Aqzoo（以下、Aqzoo）の代表である堀内涼太郎さんが、12月20日に東京で開催されたU25世代向け国内最大級のスタートアップイベント「TORYUMON TOKYO 2025 BURST」＊のピッチに登壇し、TAIAN賞およびBaseMe賞の2つの賞を受賞しました。
　今回のピッチでは、Aqzooが掲げる「自然と人と社会がつながり続けられる世界をつくる」というビジョンと、その実現に向けた最新の取り組みが紹介されました。Aqzooは、水族館・動物園・生息地が保有する飼育・繁殖・健康・環境データを統合し、指標化・スコア化する“自然資本データインフラ”を構築する事業を進めています。これにより、企業が求められるTNFD＊やESG開示＊、生物多様性クレジット＊などに活用できる形で、生物多様性への影響や取り組みを可視化し、意思決定に生かせるデータへ翻訳することを目指しています。
　この仕組みは、水族館・動物園のDX支援、生息地保全、企業の自然関連リスク管理などをつなぐ新しいエコシステムとなり、生物多様性の保全・向上に貢献するソーシャルインパクトモデルとして高く評価されました。
　会場には全国から約500人の参加者が集まり、学生起業家同士の交流も活発に行われました。堀内さんは多くの仲間との再会や新たな出会いに刺激を受け、登壇後には審査員・参加者から事業成長に向けた建設的なフィードバックが寄せられました。「挑戦は一人では成し得ず、多くの方々に支えられていることを改めて実感しました」と語っています。
　また堀内さんは、「日頃より応援してくださっている皆さま、そして全国でそれぞれの場所から挑戦を続けている学生起業家の仲間たちに、心から感謝しています。Aqzooはこれからも、人と生きもの、人と自然の関係性をアップデートする挑戦を、仲間とともに一歩ずつ前に進めていきます。引き続き温かく見守っていただけるとうれしいです」と今後への意気込みを述べています。
　堀内さんとAqzooの今後のさらなる活躍が期待されます。

※TORYUMON
TORYUMONは、起業家や起業準備中のU25世代、スタートアップに関心を持つ人々が集うU25向けスタートアップイベントです。累計700名規模の来場者を集めるなど、次世代起業家の育成・コミュニティ形成に大きな役割を果たしています。2025年度は「TORYUMON TOKYO 2025 BURST」（12月20日、ベルサール渋谷ファースト）など各地で開催されました。

※TNFD（自然関連財務情報開示）
企業が自然や生物多様性への影響・リスクを整理し、分かりやすく開示するための国際的な枠組み。

※ESG開示
環境（Environment）・社会（Social）・ガバナンス（Governance）に関する企業の取り組みを投資家などに説明すること。

※生物多様性クレジット
生息地の保全や生物多様性向上の取り組みによって生まれた環境価値を「クレジット（価値単位）」として評価し、企業などが購入・活用できる仕組み。自然保全の活動を経済的に支える新しい制度。

【本件問い合わせ先】
岡山大学 研究・イノベーション共創機構 スタートアップ・ベンチャー創出本部
E-mail：start-up1◎adm.okayama-u.ac.jp
※@を◎に置き換えています。