【プレスリリース】脊椎動物が土壌生物に与える影響について枠組みを提案:地上と地下の生物間相互作用の包括的な理解に向けて
2025年02月07日
【発表概要】
地上部と地下部(土壌)の生物間相互作用は個別に考えられてきましたが、ここ20年ほどでこれら2つの生物群集のつながりが積極的に研究されてきました。一方、地上部で活動する脊椎動物(鳥や哺乳類など)の多くは、土壌動物を採食したり土壌を掘り返したりするなど(図1)、地下部群集に対して強く影響している可能性がありますが、彼らの役割を総合的に理解するための枠組みはありませんでした。
高知大学の富田幹次助教のほか、アメリカ合衆国森林管理局、北海道大学、森林研究・整備機構森林総合研究所、岡山大学、東京大学、福井県立大学からなる共同研究グループは、地上部の生物から地下部の生物へ影響する経路として、脊椎動物が果たす役割について整理しました。さらに、整理した経路を発展させることで、脊椎動物が土壌生物群集の空間構造や分布を変え、生態系機能に波及する可能性を提示しました。この総説論文は、2025年1月14日に国際学術誌「Trends in Ecology and Evolution」にオンライン掲載されました。
論文情報
論文名: The underappreciated roles of aboveground vertebrates on belowground communities
著者:富田 幹次(高知大学農林海洋科学部)、Philip J. Manlick(アメリカ合衆国森林管理局)、小林真(北海道大学北方生物圏フィ-ルド科学センタ-)、藤井佐織(森林研究・整備機構森林総合研究所森林昆虫研究領域)、兵藤不二夫(岡山大学学術研究院環境生命自然科学学域)、宮下直(東京大学大学院農学生命科学研究科)、角田智詞(福井県立大学生物資源学部)
雑誌:Trends in Ecology and Evolution
DOI:https://doi.org/10.1016/j.tree.2024.12.011
公開日: 2025年1月14日
詳細は下記URLをご覧ください。