概要・活動紹介

ホーム > 概要・活動紹介 > 教科構成学開発事業部会

教員養成教育における附属学校園等と連携した「教科構成学」教授法開発事業の実施

事業の概要

 岡山大学教育学部では、平成18年度より、教育実習や体験的授業科目をコアとした「教員養成コア・カリキュラム」を開発・実施し、学生の教育実践力の養成を行っているが、平成22年12月、国立政策研究所の徳永保所長(前文部科学省高等教育局長)が、協同出版セミナーの基調講演「実践的指導力を育成する大学の教員養成教育」で、教員養成について以下の問題点を指摘された。

・学習指導要領に則った主体的な教科のカリキュラム編成に関する指導の不足
・今後の学校教育のあり方を考えると、今まで以上に主体的な教育課程(カリキュラム)の編成が必要
 また教科に関する専門科目と学習諸科学を結びつけた学習指導計画の編成といったことについての指導、
 教育課程編成に関する指導の充実が必要
・新しい学び、新しい学校における指導の基本=子どものそれまでの履修状況や内容の理解状況に応じた
 指導を行うこと
・履修状況の把握:十分に理解した事項と、そうでない事項、それぞれの指導場面で用いた教材や指導案、
 教員と子どものやりとりをデータベース化して、それらを活用して指導を行うこと

 こうした背景のもと、「教科構成学」開発事業に着手するため、大学院教育学研究科および教師教育開発センター教員で構成した部会を立ち上げ、検討を開始した。

教科構成学開発事業部会

主な活動内容

・教科構成学研究
 学校の教育目標を実現するために、各教科において、子どもの発達過程や学習状況、教科内容の系統性・原理を考慮して、どのような段階でどのような内容、教材、指導法で指導するのが相応しいのかを検討、計画するプロセス1とともに、全体の指導計画の中に位置づけて、1時間の授業の教材、指導案の覚醒、実施、省察から授業改善を行うプロセス2の2つの学習指導のプロセスの在り方について考える。その一環として、岡山大学の教員養成コア・カリキュラムにおける各授業科目で学生がどのような視点で教科内容構成指導を学ぶのか、その必要性や内容についてまとめた学生対象の「教科内容構成指導教科書」の作成に取り組んでいる。

・学校現場(附属小・中学校)との連携
 附属小・中学校では一貫教育研究が進められており、これに合わせて教育研究発表会での公開研究授業に向けた小中一貫での理論構築や教材研究、指導案作成での協働に取り組んでいる。毎年行われる教育研究発表会では、指導助言者として部会員が積極的に関わっている。

・若手教員との授業研究会への参加
 オンデマンド研修事業部会が実施する若手教員を対象とした研究会・研修会に参画・協力を行っている。教科内容構成の視点を含めた指導・助言を通して、現場の教員が抱えている課題とその改善方法が明確化され、初任期教員の授業実践力向上に関わっている。

・FD活動
 教科内容構成の視点を含めたFD研修会を随時行っている。