総鉄結合能, TIBC(total iron binding capacity),不飽和鉄結合能, UIBC (unsaturated iron binding capacity )


臨床的意義
 
血清中の鉄は、すべて血清蛋白のβ1グロブリン分画に属するトランスフェリンと結合して存在する。血清中のトランスフェリンは通常全部が鉄で飽和されていない。In vitroで鉄を添加して、結合した鉄の量を不飽和鉄結合能(UIBC)という。そして、血清鉄の量をあわせて総鉄結合能(TIBC)という。これは、間接的にトランスフェリンの量を鉄の量に換算して表していることになる。トランスフェリンと総鉄結合能(TIBC)との関係は次の式で表すことができる。
Tf(mg/dL)×1.3=TIBC(μg/dL)
TIBC(総鉄結合能)=Fe(血清鉄)+UIBC(不飽和鉄結合能)
また 鉄飽和率は鉄飽和率=Fe(血清鉄)*100/TIBC(総鉄結合能)で求められる。

異常値を示す疾患
高値疾患: 
鉄欠乏状態・妊娠時

低値疾患: 慢性感染症、肝疾患、悪性腫瘍など

測定方法: 比色法(Nitroso-PSAP法)(平成20年10月9日より)
       
比色法(フェレン法)(平成20年10月8日まで)

測定原理(平成20年10月8日まで)
 
検体に一定過剰の鉄を加え、トランスフェリンを飽和させる。この時飽和しなかった残余鉄は、還元剤の作用により、2価の鉄(Fe2+)に還元され、フェレン[3-(2-ピリジル)-5、6-ビス(2-(5-フリルスルホン酸))1、2、4-トリアジン、二ナトリウム塩]とのキレ-トを生じる。この青色キレ-トを波長580〜620nmを主波長とし、650〜800nmを副波長とした2波長差で測定し、既知過剰量の鉄より、この残余鉄量を差し引くことで、不飽和鉄結合能を求める。その値に血清鉄の値を加えて総鉄結合能を計算する。

測定機器: 日本電子BM8040(平成26年3月24日より)

日本電子BM2250(平成18年7月18日より)
日立7170自動分析装置(平成18年7月14日まで)

測定試薬: 日東紡績株式会社(平成20年10月9日より)
        シスメックス(旧:国際試薬)(平成20年10月8日まで)

基準範囲: TIBC(Fe+UIBC) 240〜430  μg/dL   UIBC 180〜280 μg/dL  鉄飽和率 20〜40 %

相関
平成29年5月30日


平成20年10月9日


平成18年7月18日
X=旧機器
Y=新機器
Y=1.01X+1.36 r=0.996  n=200

小児の基準値 
 TIBCは、小児期では潜在的な鉄欠乏の状態を反映して成人より男女とも平均的に高値を示す。

採取容器:茶)生化学一般用分離剤入り試験管

関連項目

トランスフェリン(Tf)
血液一般検査 
血清鉄(Fe)
Ferritin 

参考文献

刈米重夫 : 日本臨床、40巻、秋期臨時増刊号(1982)
刈米重夫 : 日本臨床、43巻、秋期臨時増刊号(1985)

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