血清鉄, Fe (serum iron) 


臨床的意義
 生体内の鉄の総量は約4000mgであり、その2/3は赤血球内の血色素として存在し、1/3弱は貯蔵鉄 ( フェリチンとヘモジデリン)として実質臓器内にある。そして、血清中の鉄はトランスフェリンと結合しており、それ以外の形では存在しない。貯蔵鉄プールから動員された鉄はトランスフェリンと結合して血清鉄となり、血清中を流れて骨髄の赤芽球に摂られて赤血球ヘモグロビンとなる。赤血球の寿命は平均120日で、崩壊した赤血球は細網細胞で結合して血清鉄として再び造血に用いられるか、あるいは 貯蔵鉄プールへ入る。

異常値を示す疾患
高値疾患: 
再生不良性貧血、鉄芽球性貧血、ヘモクロマトージス、急性肝炎

低値疾患: 
鉄欠乏性貧血、出血性貧血、真性多血症、パンチ症候群、慢性感染症、悪性腫瘍

測定方法: 比色法(Nitroso-PSAP法)(平成20年10月9日より)
       
比色法(フェレン法)(平成20年10月8日まで)

測定原理(平成20年10月8日まで)
3価の鉄(Fe3+)は、還元剤の作用により2価の鉄(Fe2+)に還元され、フェレン[3-(2-ピリジル)-5、6-ビス(2-(5-フリルスルホン酸))1、2、4-トリアジン、二ナトリウム塩]とのキレ-トを生じる。この青色を波長580〜620nmを主波長とし、650〜800nmを副波長とした2波長差で測定することで濃度を求める。

測定機器: 日本電子BM8040(平成26年3月24日より)

日本電子BM2250(平成18年7月18日より)
日立7170自動分析装置(平成18年7月14日まで)

測定試薬: 日東紡績株式会社(平成20年10月9日より)
        シスメックス(旧:国際試薬)(平成20年10月8日まで)

基準範囲: 40〜188μg/dL (平成27年7月1日より共用基準範囲へ変更)
        男性 80〜140 μg/dL 女性 70〜130 μg/dL (平成27年6月30日まで)

相関
平成29年5月30日



平成20年10月9日

平成18年7月18日
X=旧機器
Y=新機器
Y=1.03X+4.41 r=0.999  n=200

平成6年9月
従来法:X
新法:Y
Y=1.020X-3.226

小児の基準値
 臍帯血の血清鉄濃度は平均150μgと生涯のうちでもっとも高いが1日後には低下してこれも一生のうちで最低となる。以後次第に上昇し、1〜2週で成人のレベルに戻るがまた乳児期には低下し小児期では男女とも成人より低値を示し、個人差が激しい。15歳をすぎると平均値で男子がわずかずつ高くなっていく。

採取容器:茶)生化学一般用分離剤入り試験管

関連項目

TIBC/UIBC
トランスフェリン(Tf)
血清銅(Cu)
Ferritin

参考文献

刈米重夫 : 日本臨床、40巻、秋期臨時増刊号(1982)
刈米重夫 : 日本臨床、43巻、秋期臨時増刊号(1985)

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