カテコールアミン, CA (catecholamine)
 


測定法:HPLC法

外注会社   2分画:SBS(旧住友)(平成17年6月15日まで中止)  3分画:BML

臨床的意義
 
カテコールアミンは主に脳,副腎髄質および交感神経に存在する生体アミンの総称で,生体内ではドーパミン(DA),ノルアドレナリン(NA),アドレナリン(A)の3種が知られている。DAは腎・心・脳・腸間膜の血管床や交感神経終末部にレセプターが存在する。尿中CAの測定は,褐色細胞腫および小児での神経芽細胞腫の診断治療経過観察に欠かせない検査である。その他,心不全,心筋梗塞,狭心症などでも測定されている。また,ストレスと交感神経の関係などにおいても尿中,血中CAの測定が有用と思われる。

異常値を示す疾患
高値疾患: 褐色細胞腫 ・ 本態性高血圧症 ・ 副腎髄質過形成 ・ 心筋梗塞

低値疾患: Addison病 ・ 起立性低血圧症 ・ 汎下垂体機能不全症

基準値
2分画(住友)

血中

アドレナリン 100 pg/mL 以下
ノルアドレナリン 100〜450 pg/mL

尿中

アドレナリン 3.0〜15.0 μg/day
ノルアドレナリン 26.0〜121.0 μg/day

平成12年9月25日より基準値変更以前の基準値は以下に記す

血中

アドレナリン 80 pg/mL 以下
ノルアドレナリン 90〜420 pg/mL

尿中

アドレナリン 28 μg/day以下
ノルアドレナリン 19〜151μg/day

3分画(BML)

血中 アドレナリン 0.10 ng/mL 以下
ノルアドレナリン 0.10〜0.50 ng/mL 
ドーパミン 0.03 ng/mL以下
尿中 アドレナリン 3.0〜41.0 μg/day
ノルアドレナリン 31.0〜160.0 μg/day
ドーパミン 280.0〜1100.0 μg/day


検体採取・測定条件
尿採取容器:2分画はSBS(USP、3分画は、BML(U2

・pH1.0〜3.0の酸性蓄尿(6N塩酸加)の一部を凍結保存をする。酸性蓄尿が不可能な場合,採尿後すぐに6N塩酸を添加する。

血液採取容器:EDTA(EDTA入り試験管)

・血中Caは,EDTA-2Na血漿を,必ず凍結保存をする。溶血血漿は避ける。

生理的変動
・交感神経芽細胞腫では尿中CA排泄値が上昇しない例もあり,代謝産物(尿中メタネフリンなど)を測定して診断する。
・CAの分泌は,体位,運動,ストレスの影響で増加する。
・採血の穿刺ストレスでも上昇する事がある為,外来での検査は不向きである。
・日内変動も大きく昼間は高く夜間に低値を示す。

関連項目

尿中メタネフリンF 
バニリルマンデル酸(VMA)
ホモバニール酸(HVA)
NSE

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