活性化部分トロンボプラスチン時間 APTT activated partial thromboplastin time
臨床的意義
この凝固過程には、フィブリンゲン、プロトロンビン、X、[、\、]、]Tおよび]Uの各因子、プレカリクレイン、高分子キニノゲンが関与する。APTTはこれらの因子の減少、機能低下および抑制物質の存在を総括的に反映する検査である。APTT延長の代表的疾患は、血友病A,Bおよびvon Willebrand 病である。
また、循環抗凝血素によっても延長する。
測定法
患者検体にAPTT試薬(リン脂質と陰性荷電体)を加え、一定時間加温後、0.025mol/lCaCl2液を添加して凝固時間を測定する。
測定機種: CS-5100(シスメックス株式会社)(平成26年3月24日より)
ACL TOP(三菱化学ヤトロン社)(平成18年1月10日より平成26年3月23日まで)
STA(ロシュ・ダイアグノスティック株)(平成18年1月9日まで)
STAコンパクト(ロシュ・ダイアグノスティック株)(平成18年1月9日まで)
基準値: 26.9〜38.1 sec(平成26年3月24日より)(シスメックス社内データ)
基準値変更情報:
25.0〜36.0 sec(平成21年2月4日より:試薬変更平成26年3月23日まで)
25.0〜37.4 sec(平成19年11月17日より平成21年2月3日まで)
24.3〜35.0 sec(平成18年1月10日より平成19年11月16日まで)
28.0〜44.0 sec(平成16年9月21日より平成18年1月9日まで)
27.0〜40.0 sec(平成10年2月4日より平成16年9月20日まで)
25.0〜34.5 sec(平成元年12月19日より平成10年2月3日まで)
30.0〜39.0 sec(平成元年12月18日まで)
相関
y=0.900x+0.004 r=0.941 (n=205)
x:旧試薬 y:新試薬(平成18年1月9日)
y=1.47x−12.2 r=0.85 ( n =47 ) x:旧試薬 y:新試薬(平成16年9月21日)
異常値を示す疾患
延長疾患: 血友病 ・ von Willebrand病 ・ 肝障害 ・ DIC ・ 抗凝血素の存在 ・ ループスアンチコアグラント
検体採取・測定条件
・3.2%のクエン酸ナトリウム入り試験管にクエン酸ナトリウム1血液9の割合で採血し,転倒混和を5〜6回繰り返した後,すみやかに提出する。
・検体採取時には,組織トロンボプラスチンの検体への混入を避ける為,ダブルシリンジ法を用いるとよい。
・採血方法・血漿の取り扱い・保存状態・測定手技・器具などの条件がAPTTに大きな影響を与える。
・妊娠,寒冷刺激,精神的ストレスや運動により凝固機能の亢進をみることがあるため採血は,なるべく安静時に一定条件下で行うことが望ましい。
関連項目
プロトロンビン時間(PT)