凝固因子活性検査第VIII因子, congulation factor VIII activity

 

臨床的意義
 
先天性出血性素因のうち大部分を占める血友病Aの本態が凝固第VIII因子の量的質的異常であることから、第VIII因子の止血機構における重要さはいうまでもない。第VIII因子は主に肝にて合成されるが、mRNAの発現は脾臓、腎臓、リンパ節、胎盤、膵臓や筋肉にも認められている。構造的には第V因子と相同性があり、von Willebrand因子(vWF)と複合体を形成して、凝固増幅系の補因子としてきわめて重要な位置を占めている。また、種々の疾患や病態あるいは運動などの生理的負荷にて変動することが明らかにされている。なおO型を有する個体では、vWFとともに、他の血液型の個体よりも20〜30%程度低値を示す。先天性の出血性素因のなかで、幼小児期より血友病型の出血症状(皮下出血、打撲部出血、筋肉内出血、関節出血、口腔内出血や観血処置後の過剰出血など)では血友病Aが疑われ、測定する必要がある。ちなみに、第IX因子の量的質的異常である血友病Bとの発症頻度は、4:1である。また、粘膜性出血(鼻出血、性器出血、歯肉出血など)を呈するvon Willebrand病にても低値となる。

異常値を示す疾患
低値: 
血友病A、von Willebrand病

測定機種: CS-5100(シスメックス株式会社)(平成26年3月24日より)

ACL TOP(三菱化学ヤトロン社)(平成18年1月10日より平成26年3月23日まで)
STA(ロシュ・ダイアグノスティック株)(平成18年1月9日まで)

基準値: 70%〜150%(平成26年3月24日より)(添付書引用)
50%以上(平成18年1月10日より平成26年3月23日まで)
70%以上(平成18年1月9日まで)



検体採取・測定条件

3.2%のクエン酸ナトリウム1に血液9の割合で採血し,転倒混和を5〜6回繰り返した後,すみやかに提出する。
・溶血すると不正確になるため注意が必要である。

関連項目

フォン・ヴィレブランド因子
リストセチンコファクター活性値

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