鉄染色, iron stain


臨床的意義
 
貧血の鑑別診断に用いられる検査である。鉄染色は、赤血球内の非ヘモグロビン鉄を染め出し、鉄代謝異常の有無を形態学的に検索するものである。骨髄には、非ヘモグロビン鉄であるヘモジデリンが細胞質内に認められる赤芽球(鉄芽球:sideroblast)のほか、(鉄赤血球:siderocyte)や過剰の鉄がミトコンドリア内に沈着し、核周の1/3以上を取り巻くようになった環状鉄芽球(ringed sideroblast)が存在する。これらのうち、鉄芽球の赤芽球100個に対する割合(%)と、環状鉄芽球出現の有無を骨髄液で調べるのが本検査である。鉄代謝異常、すなわち鉄の過剰(骨髄異形成症候群、鉛中毒)、不足(鉄欠乏性貧血など)、鉄の移動性の低下(膠原病、慢性炎症)などの診断に有用である。

測定方法: 用手法

容器:血液:(赤)EDTA-2K入り試験管 骨髄:塗抹標本2枚

関連項目

PAS染色
ALP染色
エステラーゼ染色
ペルオキシダーゼ反応
骨髄像
  

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