アデノシンデアミナーゼ, ADA (adenosine deaminase)
 
平成14年3月31日まで院内検査
平成14年4月1日より外注(SRL)
 

臨床的意義
 
アデノシンデアミナ−ゼ(ADA)は、核酸構成成分のアデノシンを加水分解してイノシンとアンモニアを生成する酵素で、腸管粘膜・胸腺・脾・扁桃やリンパ球に活性が高い。プリン代謝において、アデノシンが低値の時にはアデノシンキナ−ゼが、高値の時にはADAが働くと考えられている。 意義としてはプリン代謝そのものの亢進、腫瘍性増殖による亢進、リンパ球活性化による亢進など過剰産生症と欠損症がある。よって高頻度に異常高値を示す疾患は肝疾患であり、血液疾患・感染症・悪性腫瘍などにおいても活動性の指標となる。また胸水における癌性・細菌性胸膜炎(低値)と結核性胸膜炎(高値)の鑑別にも有用である。

測定原理:UV−Rate法
(平成14年3月31日まで)
                    
ADA        
        
アデノシン+H2O   ------->    イノシン+NH3
                     GLDH+
NH3+α-ケトグルタル酸+NADPH   ------->    L-グルタミン酸+NADP++H2O

NADPHの減少を340nmの吸光度の減少により測定し、ADA活性を求める。

測定機器:
日立7170形自動分析装置(平成14年3月31日まで)  
  
測定試薬:
自動分析用試薬『生研』ADA−N(デンカ生研)(平成14年3月31日まで)

基準範囲: 6.8〜18.2 IU/L
(平成14年4月1日より) 
        
7〜18 IU/L(平成14年3月31日まで)

異常値を示す疾患
高値: 
肝炎、肝硬変、白血病、AIDS、伝染性単核症、結核性胸膜炎、風疹

低値: 
ADA欠損による重症複合免役不全症、癌性胸膜炎

採取容器:
茶)生化学一般用分離剤入り試験管
注) 赤血球中には多量のADAが存在するため溶血検体では高値になる
 
生理的変動
・脂肪肝以外の肝疾患では活動性のものが高値傾向を示す。特に慢性肝炎の活動期,肝硬変で顕著。
・血液系の腫瘍性疾患で高活性を示し(ALL,ATLなど),病態進行度,病的細胞増殖の程度と相関する。
・ADA欠損症は常染色体劣性遺伝のまれな異常で,血清,赤血球,リンパ球中のADA活性の著明な減少が特徴である。

関連項目

IgG(Immune globulin G)
IgM(Immune globulin M)
CRP
EBウイルス

先頭に戻る   前ページに戻る