ヒト心房性ナトリウム利尿ペプチド, HANP(human atrial natriuretic peptide) 


測定法: IRMA法(ビーズ固相法)

外注会社: BML(平成15年3月31日まで大塚)

臨床的意義
 
心房性ナトリウム利尿ペプチド(ANP)は,アミノ酸28個からなるホルモンで,主に心房で合成,貯蔵され血中に分泌される。またANPは,腎臓に働き利尿を促進すると同時に,末梢血管を拡張し血圧降下作用物質としても働く。又心房以外に心室や中枢神経系にも存在している。また,ANPにはα,β,γの3種の分子型があり,ホルモンとして血中を循環しているのはα-ANPで,最も強力な生理活性を示す。ANPシステムの障害が高血圧の発症,浮腫性疾患を引き起こす可能性が高く,血中ANPの測定は,浮腫を伴う疾患の診断,特に,心機能,腎機能障害の診断及び重症度の判定,血液透析における体液量の管理に有用である。

異常値を示す疾患
高値疾患: うっ血性心不全、本態性高血圧、腎不全、 心筋梗塞  

低値疾患: 
尿崩症、甲状腺機能低下症、脱水、食塩摂取制限時

基準値: 43.0 pg/ml 以下

検体採取・測定条件
採血は,早朝空腹時安静臥位で行うのが望ましい。
専用容器(EDTA-2Na+トラジロール)を用いる。
溶血検体はデータの低下傾向を示す。

生理的変動
透析前後でデータが大きく異なり,前が高く,後が低い。 

関連項目

Na
K
BUN
Cr
アンギオテンシンI・II
アルドステロン

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