ヒアルロン酸, HY-A(hyaluronic acid) 

測定法: ラテックス凝集比濁法
      SBPA,RBPA(平成15年3月31日まで)

外注会社:BML(平成15年3月31日まで大塚)

臨床的意義
 
ヒアルロン酸はD-グルクロン酸とN-アセチル-D-グルコサミンが重合した酸性ムコ多糖である。眼硝子体、臍帯、関節液、皮膚、軟骨などの結合組織に多く含まれ、主として、線維芽細胞や滑膜細胞などで産生されている。細胞より遊離したヒアルロン酸は、血流に乗ってリンパ組織へ移動し、大部分は肝まで運ばれ代謝される。残りの一部は脾臓や腎において代謝され、分子量の小さくなったものは尿より排泄される。ヒアルロン酸の主な生理的機能は、細胞外基質として、水平衡の維持、血漿蛋白の組織漏出の制御、関節の潤滑性の維持、細菌侵入に対する生体防御作用などを果たしているといわれる。最近では、細胞膜表面のCD44と結合することが明らかになり、リンパ球のリンパ節への集積や、リンパ球、好中球の活性化など、細胞の機能制御への関与が注目されている。血清ヒアルロン酸濃度は、慢性関節リウマチをはじめとする炎症性疾患や肝硬変などにおける、病期の活動度や進展度とよく相関する。炎症性疾患では炎症の修復過程において線維芽細胞が活性化され、障害部位が修復される際にヒアルロン酸の産生も亢進するといわれる。肝硬変においては、肝臓の線維化が進むにつれ、肝臓内の伊東細胞や線維芽細胞でのヒアルロン酸の産生が亢進するとともに、肝臓内での代謝を担当するといわれる肝類洞内皮細胞も線維化に伴いその機能を失うため、ヒアルロン酸の分解も低下する。

高値疾患
肝細胞障害、炎症性変化(慢性関節リウマチ、全身性硬化症、変形性関節症、胸膜炎)、腎機能障害(尿毒症、透析アミロイドーシス)、敗血症、悪性腫瘍、Werner症候群

基準値: 0〜50 ng/mL

採取容器:茶)生化学一般用分離剤入り試験管

関連項目
IV型コラーゲン
III型プロコラーゲンN末端ペプチド(PIIIP)
プロリルヒドロキシラーゼ

*慢性肝炎の患者に対して、慢性肝炎の経過観察及び肝生検の適応の確認を行う場合にのみ算定できる。 

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