プロコラーゲンIIIペプチド, P-III-P (type III procollagen-N-peptide) 

測定法: IRMA(チューブ固相法)

外注会社: BML(平成15年3月31日まで大塚)

臨床的意義
 
タイプIIIプロコラーゲン-N-ペプチド(PIIIP)は、タイプIIIコラーゲンの前駆物質であるタイプIIIプロコラーゲンが線維産生細胞から産生され、細胞外でプロコラーゲンプロテアーゼによりプロコラーゲンのN末端付近にある非らせん領域が切り離されてできたペプチドである。したがって、タイプIIIプロコラーゲン産生、分泌が亢進した病態ではPIIIPが増加し、その一部が血管内に移行し、血中濃度が高くなる。体内で炎症があると、それに伴ってタイプIIIコラーゲンの産生も亢進するので、炎症反応を示す他のマーカーとよく相関するが、炎症が終息しても細胞外基質の産生が終息しない場合、この値が異常値を示すので役立つ。一般に、各疾患の中で細胞外基質が最も多く産生されるものは、体内で最大重量を有する肝疾患であるので、肝疾患の線維化マーカーの一つとして検査されることが多い。

異常値を示す疾患
高値疾患: 
急性肝炎、慢性活動性肝炎、アルコール性肝障害、原発性胆汁性肝硬変、慢性膵炎、放射性肺臓炎、肺線維症、間質性肺炎、サルコイドーシス、肺結核、心筋梗塞、糖尿病性細小血管症、慢性心内膜線維症、糸球体腎炎、ネフローゼ症候群、腎不全、骨Paget病、骨髄線維症、悪性腫瘍

基準値: 
1.0 U/mL以下(平成15年3月31日まで0.8 U/ml以下)

採取容器:茶)生化学一般用分離剤入り試験管

関連項目

IV型コラーゲン
ラミニン
ヒアルロン酸

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