プロゲステロン, P (progesterone)

 

測定法:CLIA法
      CLEIA法(平成16年3月31日まで)

外注会社:OML

臨床的意義
 プロゲステロンは、副腎皮質および性腺において3β-hydroxysteroid dehydrogenaseの作用によりプレグネノロンから生成される。プロゲステロンは女性では卵巣および胎盤で合成・分泌され、黄体機能や妊娠と関連して重要な役割を果たしていることは古くから知られている。一方、男性でも末梢血中に微量ながら検出され、主に副腎皮質から分泌されていると考えられている。血漿中でのプロゲステロンは、その90%がコルチゾール結合蛋白(Kd=12nM、37℃)やアルブミン(Kd=15μM)と結合している。血漿プロゲステロンは、ステロイドホルモンの測定法の進歩により微量測定が可能となり、卵巣、胎盤機能の指標として用いられている。しかし、血漿プロゲステロン値を判断する際、その日内変動、日差変動、律動分泌、性周期、妊娠週数などを考慮する必要があり、単回の測定で病態を論ずるのは困難である。できれば連続して経時的に検体を採取し、また同時に他の関連ホルモンすなわちLH、FSH、17α-ヒドロキシプロゲステロン、エストラジオールなども同時に測定して総合的に判断することが望ましい。

異常値を示す疾患
高値疾患: 先天性副腎過形成、Cushing症候群、副腎癌、妊娠、副腎男性化腫瘍、多胞性卵巣嚢腫、胞状奇胎、妊娠中毒症

低値疾患: Addison病、汎下垂体機能低下症、卵巣機能低下症、無月経、排卵異常、絨毛上皮腫、副腎性腺機能低下症

相関(平成20年12月22日)



基準値: 血清
平成20年12月22日より

男性 0.9ng/mL以下
女性 卵胞期 0.9ng/mL以下
排卵期 2.4ng/mL以下
黄体期 1.2〜30.0ng/mL
閉経期 0.4ng/mL以下
妊婦 前期(  〜20週) 13.0〜50.0ng/mL
中期(21週〜30週) 40.0〜130.0ng/mL
後期(30〜  週) 65.0〜220.0ng/mL

平成20年12月21日まで
 

男性 0.9ng/ml以下
女性 卵胞期 1.2ng/ml以下
排卵期 0.1〜13.1ng/ml
黄体期 5.4〜24.4ng/ml
閉経期 0.8ng/ml以下
妊婦 前期 4.4〜49.6ng/ml
中期 11.3〜143.1ng/ml
後期 30.4〜250.7ng/ml


平成16年3月31日まで

男性 0.4ng/ml以下
女性 卵胞期 0.1〜1.5ng/ml
黄体期 2.5〜28.0ng/ml
妊婦 前期 9〜47ng/ml
中期 17〜146ng/ml
後期 55〜255ng/ml

小児の基準値
 
新生児で高く、その後1ヶ月までに急激に上昇する。その後男子及び思春期前の女子では大きな変動を認めない。思春期以後の女児では広い範囲に分布している。性周期の影響が考えられる。

採取容器:茶)生化学一般用分離剤入り試験管

関連項目

17α−ハイドロキシプロゲステロン
エストラジオール(E2)
黄体化ホルモン(LH)
卵胞刺激ホルモン(FSH)
副腎皮質刺激ホルモン(ACTH)

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