C-ペプチド, CPR(C-peptide immunoreactivity)


臨床的意義
 
C-ペプチドは分子量3,617で インスリンの前駆物質であるプロインスリンの構成成分である。膵β細胞内でインスリン部分とC-ペプチド部分(アミノ 酸31個)に分離されて血中に放出される。又,一部が腎臓で代謝され尿中に排泄される。血中半減期は11分と短い。血中C-ペプチド測定の意義は,ほぼ血中IRI値の場合と同じであるが,インスリン投与時,あるいは,インスリン抗体が存在する場合の膵 β細胞のインスリン分泌能評価に有用であり,尿中の排泄量は,血中CRPと高い相 関を示し,インスリン投与やインスリン抗体または,プロインスリン の干渉を受けずに測定できる。

異常値を示す疾患
高値疾患: インスリノーマ ・インスリン自己免疫症候群 ・二次性糖尿病・肥満

低値疾患: 糖尿病 (IDDM) ・膵癌 ・下垂体機能低下症


測定方法:CLEIA(化学発光酵素免疫測定法)(平成29年5月8日から)

     FEIA(蛍光酵素免疫測定法)(平成17年3月26日から平成29年5月2日まで)
     RIA固相法(平成17年3月25日まで核医学診療室)
     平成12年3月31日まで外注:住友


測定機器:ルミパルス L2400(富士レビオ株式会社)(令和3年3月1日から)
     AIA CL2400(東ソー株式会社)(平成29年5月8日から令和3年2月26日まで)
     AIA-2000(東ソー株式会社)(平成25年12月9日から平成29年5月2日まで)
     AIA-1800(東ソー株式会社)(平成17年3月26日から平成25年12月6日まで)


基準値:血清:0.67〜2.48ng/mL(令和3年3月1日から)
    尿:40.1〜86.1μg/day(令和3年3月1日から)

    空腹時血清:0.74〜3.18ng/mL(平成29年5月8日から令和3年2月26日まで)
    1日蓄尿:18.3〜124.4μg/day(平成17年3月26日から令和3年2月26日まで)
    空腹時血清:0.69〜2.45(平成27年9月11日から平成29年5月2日まで)
    空腹時血清:1.1〜3.3ng/mL(平成17年3月26日から平成27年9月10日まで)
    血清: 0.9〜21.0 ng/ml     蓄尿: 24.2〜122.2μg/day(平成17年3月25日まで)
    (平成12年3月31日まで血清: 1.5〜3.5 ng/ml  蓄尿: 20〜130μg/day)



相関:令和3年3月1日

平成27年9月11日
 

平成25年12月9日

平成17年3月26日
RIA法との相関(血清C-ペプチド) y=0.730x+0.550 r=0.944 n=45
RIA法との相関(尿  C-ペプチド) y=0.800x+12.00 r=0.745 n=79



 

検体採取・測定条件 
・24時間蓄尿を 行う際は低温室で行うか,アジ化ナトリウムを添加するのが望ましい。長期保存する場合は凍結保存をする。
・抗インスリン抗体を結合したプロインスリンがCPRとして測定されるため,CPR値が異常に高値を示すことがある。
・不完全な蓄尿,尿路感染症などで低値を示す。

生理 的変動
・腎機能低下例では低値を示す。
・食事量や食事組成により日内変動, 日差変動がある為,3日連続して測定して平均をとるのがよい。

採取容器:血液は、茶)生化学一般用分離剤入り試験管

関連項目 

血糖 
HbA1c 
フルクトサミン 
インスリン抗体
インスリン, Insulin(IRI)


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