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カリフォルニア州立大学イーストベイ校での留学生活

大学院社会文化科学研究科博士前期課程2年 朝原美徳

1. はじめに

岡山大学短期留学プログラム(EPOK; Exchange Program Okayama)を利用させて頂き、2008年3月から12月までの9ヶ月間を、(学部3年生~4年生にかけて、)米国カリフォルニア州サンフランシスコ郊外にあるカリフォルニア州立大学イーストベイ校で過ごしました。留学の目的は、語学力および異文化に対する柔軟な思考力を身につけたいということでした。以下では、大学での講義、週末の過ごし方、英語などを中心に留学を振り返りたいと思います。

2. 大学の講義

イーストベイ校は、サンフランシスコ市街地から電車で1時間程のヘイワードという町に位置し、キャンパスからはサンフランシスコ湾が一望できます。生徒数は10,000人を越える一方で少人数指導を実施しており、1クラスは平均20名で構成されています。

私は留学期間中に、政治学を中心に国際政治、東アジア政治、環境政治、環境法、アメリカ政治、カリフォルニア政治、ライティング、発音、世界史、体育など合計12科目を履修しました。留学の後半では生活に慣れてきたこともあり、日本語の上級クラスでTA(Teaching Assistant)をしていました。講義の形式は、予習を前提として、その知識を基にディスカッションを行うというのが通常でした。ネイティブと同等の予習をこなさないといけないので、講義以外の時間はほぼ予習に費やされていました。また、小テストやレポートが定期的に課されるので、その過程で復習も出来ていたように思います。

中でも印象に残っている授業の1つに、国際政治があります。全体で40人くらいのクラスでしたが、アメリカ人だけでなくラテンアメリカ、アジア、中東から来た学生が参加し、様々な視点から国際問題を議論しました。また、グループワークやプレゼンテーションなどに加え、外交交渉をテーマにしたロールプレイングゲームなども取り入れられており、バラエティに富んだ授業が展開されていたように思います。私自身は授業についていくのに精いっぱいで活躍はほとんどできませんでしたが、この講義を受けたことで視野が広がっただけでなく国際問題をより身近なものとして考えることができるようになりました。

3. 週末の過ごし方

私は学校の寮に住んでおり、韓国人とアメリカ人のルームメイトに恵まれました。週末は、寮主催のダンスパーティーや観光ツアーもあり様々な国からの留学生と交流することが出来ました。他のEPOK生とサンフランシスコ市街に出かけたり、日本料理作って食べたりすることもあったのですが、彼女たちと過ごすひと時は留学生活の癒しとなっていたように思います。また、日本人学校で子どもたちに日本語を教えるボランティアに参加させて頂いたこともありました。長期休暇には、ロサンゼルスやニューヨーク、カナダのバンクーバーなどに旅行に行きました。

4. 英語

英語に関して言えば、1学期目は宿題の有無すらも分からない状態でした。しかしながら、半年位すると、不思議なことに英語を中心とする生活にも慣れ、授業を大まかに掴む事ができるようになりました。ライティングも、当初は提出したレポートに「英語力が乏しい」というコメントが付されて返ってきましたが、帰国直前に提出したレポートでは大変良い評価を頂くことができました。最終的にペラペラといえるレベルに到達することは出来ませんでしたが、英語に対する抵抗が無くなったことは留学の大きな成果であったと思います。具体的な数値にすると、帰国後に受けたTOEICでは留学前に比べて200点以上アップしていました。

5. おわりに

留学を目指し始めたのは大学に入学した頃でしたが、TOEFLが伸び悩んだ時期もありました。しかし、諦めずに英語に取り組んだ結果、4回生で何とか留学を実現することが出来ました。海外での生活は、日本との違いに戸惑うことも少なくありません。また、語学力の不足から誤解が生じたり、そんな自分にもどかしさを感じることもあります。しかし、そのような困難を乗り越えることで、タフな精神力とどのような環境にも対応できる柔軟性を養うことができました。また、国境や言葉の壁を超えて何ものにも代え難い友情を築くこともできました。英語も多かれ少なかれ向上したことを考えると、当初の留学目的は達成されたように思います。

現在、私は岡山大学大学院社会文化科学研究科に進学し国際法を専攻するとともに、国際環境法を学ぶためイギリスの大学院に留学していますが、交換留学で得た経験を活かして学んでいきたいと思います。

最後になりましたが、留学を応援してくださった先生方、事務の職員の皆さま、家族そして友人にこの場を借りてお礼申上げます。