2004年度後期~2005年度前期 岡山大学短期留学プログラム ( 南オレゴン大学 ) 参加報告
南オレゴン大学での留学生活
大学院社会文化科学研究科前期課程1年 玄場亜由美
私は、岡山大学短期留学プログラム(EPOK; Exchange Program Okayama)を利用させて頂き、大学3年生の後期から4年生の前期までの約1年間を、米国オレゴン州にある南オレゴン大学で過ごしました。留学の動機は、英語の勉強のみでなく、全く違う環境で生活し、多様な経験を積みたいということでした。以下で、南オレゴン大学での生活を中心に私の体験したことを紹介し、私が何を学んだのかを述べさせて頂きます。
南オレゴン大学は、生徒数5500人程の小さな大学です。大学の特色は芸術色豊かということでした。演劇や音楽、美術の科目に力を入れていて、プロの舞台俳優や音楽家になった方もいるようです。
大学で、授業以外に劇やコンサートがよく催されていました。私は大学のキャンパス内にある寮に、アメリカ人のルームメートと住んでいました。彼女とは仲良くなり、休日は彼女の実家にお邪魔したり、一緒に旅行に行ったりしました。
私の専攻は社会科学で、経済学、歴史、政治、法律、英語、音楽、ディベート、ワインアプリシエイション(教授はワインショップのオーナーで、ワインにまつわる様々なことを学ぶ科目。ときに試飲も!)などの講義を幅広く選択し、1日に50分間の講義を4コマ程度履修しました。これだけ多くの講義を履修するわけですから、予習や復習はもちろん、課題や小テストに毎日追われていました。それに加えて、中間や期末試験の準備も大変でした。一番大変だったのは、講義中に発言を求められることでした。当初は、自分の英語力に自信がなかったので、あまり発言できませんでしたが、予習と復習を繰り返したおかげで、徐々に自分の意見を主張することができるようになりました。
ここでは、私が履修した講義の中で1つ、マスメディア法という科目を紹介します。この講義は報道の自由と個人のプライバシー保護の関係を学ぶものでした。講義のみでなく、ビデオを使用したり、ロースクールから講師を招いたりしました。最後には2人1組となり、討論をしました。ロースクールから来られた先生は、実際に新聞社で働いた経験を有し、自身が実際に体験したことを講義の教材として使用されました。この講義では、実際にどのように報道の自由と個人のプライバシー保護の調整がなされているのかを考えることができ、大変有意義でした。講義の最後に、私はアメリカ人とアファーマティブアクションについて討論をしました。恥ずかしいことですが、私はアファーマティブアクションについて全く知識がありませんでした。友達の助けを借りたり、色々と調査をし、何とか討論をすることができました。
平日はほぼ勉強に忙殺されていましたが、週末は日本人の友達と旅行に行ったり、ルームメートや他の友達とリラックスして過ごしました。冬休みや春休みなどの長期休暇には、サンフランシスコ、ロサンゼルス、メキシコへ旅行しました。
4月に大学の催しでインターナショナルショーとハワイアンショーが開催されました。インターナショナルショーでは留学生が国ごとにダンスなどを披露しました。私たちは北野武監督の映画「座頭市」のラストシーンのタップダンスを再現しました。ハワイアンショーではフラダンスに参加しました。2つのショーがほとんど同じ時期にあったので、練習が大変でしたが、成功を収めることができました。
英語での生活、新しい生活習慣、講義形式の違い、新しい人間関係など、まったく日本とは違う環境で、それらに上手く適応することは大変でした。それを可能にしてくれたのは、貪欲に新しいことに挑戦したことと、私を支えてくれる友達が多くいたことだと思います。新しいことに挑戦したおかげで、英語力が向上したり、新しい人間関係ができたり、良い学業成績を修めることができたり、さまざまな思い出を作ることができました。他方で、自分の能力のなさや精神面の弱さを痛感したり、対人関係が悪くなったりもしました。しかし、どんなトラブルが生じても、常に友達が周りで支えてくれ、苦難を乗り越えることができました。友達とは一緒に物事に取り組んだり、互いに相談し合ったりしながら多くの時間を共有しました。この留学で得たかけがえのない経験を通じ、自分に自信が持てるようになっただけでなく、友達がいることの大切さと喜びを学びました。この留学経験をさらに生かしたいと思い、現在私は岡山大学大学院社会文化科学研究科に進学し、国際法を専攻しています。
最後になりましたが、このような機会を与えてくださった先生方、私を応援してくれた家族に感謝して、結びとしたいと思います。