子宮頸がん予防のために、わたしたちにできること~岡山大学におけるHPVワクチンキャッチアップ接種の接種後副反応調査結果の報告~
2024年02月22日
◆発表のポイント
- 2023年8月から岡山大学の学生・教職員へのHPVワクチンキャッチアップ接種を実施しており、接種後副反応調査の結果をまとめました。
- HPVワクチンキャッチアップ接種事業は2025年3月で終了予定であり、公費負担で接種を完遂するためには2024年9月までに接種を開始する必要があります。
- 接種対象者やその周囲の方が接種後の副反応調査結果を知ることで、接種やがん検診受診などの子宮頸がん予防行動について考え、行動する機会になることが期待されます。
岡山大学では2023年8月から岡山大学病院総合内科・総合診療科、感染症内科および産科婦人科の医師の協力のもと、岡山大学病院総合トリアージステーションにて本学学生・教職員を対象とするHPVワクチン接種を実施しました。2024年1月22~24日で3回目の接種を無事終了し、1~3回目接種までの接種後副反応調査結果がまとまりましたので報告いたします。
子宮頸がんはヒトパピローマウイルス感染によって起こり、発症ピークは30~40代です。日本では多くの若い働き盛りの女性や子育て世代の女性が、子宮頸がんに罹患して妊娠ができなくなったり、後遺症を抱えたり、命を失っており、深刻な状況にあると言えます。HPVワクチンはHPV感染を予防するだけでなく、子宮頸がん発症の予防効果があることも明らかになっています。
日本では、2022年4月~2025年3月末までの3年間、公費での接種が受けられるキャッチアップ接種が行われています。岡山大学では、2023年6月に実施した学内アンケート調査の結果を踏まえ、キャッチアップ接種対象者が多く所属している大学の責務として接種の機会を設けることが必要と考え、学生・教職員へのHPVワクチン接種を実施し、接種後副反応調査を行いました。接種対象者やその周囲の方が本調査結果を知ることで、接種やがん検診受診などの子宮頸がん予防行動について考え、行動する機会につながることが期待されます。
◆研究者からひとこと
子宮頸がん予防には、HPVワクチンとがん検診が重要です。HPVワクチンの接種費用が公費で負担されるキャッチアップ接種は、あと1年で終了する予定なので、対象の方は早めにご検討ください。 | 岡山大学学術研究院医歯薬学域 周産期・小児救急医療学講座 小川 千加子 准教授 | 岡山大学保健管理センター 樋口 千草 准教授 |
無料でワクチン接種が受けられるのはあと1年です! また岡山大学病院「渡航ワクチン外来」では、HPVワクチンだけでなく、海外で流行している様々な感染症のワクチン接種や健康面での相談にも応じていますので、ぜひご利用ください。 | 岡山大学病院 感染症内科 萩谷 英大 准教授 |
■研究資金
HPV予防接種拠点病院整備事業
<詳しい研究内容について>
子宮頸がん予防のために、わたしたちにできること~岡山大学におけるHPVワクチンキャッチアップ接種の接種後副反応調査結果の報告~
<お問い合わせ>
岡山大学 保健管理センター
准教授 樋口 千草
(電話番号)086-251-7217 (FAX)086-251-7222