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高性能な有機電界効果トランジスタ材料の合成に成功

 岡山大学異分野基礎科学研究所の西原康師教授、久保園芳博教授、森 裕樹助教、大学院自然科学研究科(理)博士後期課程の兵頭恵太大学院生の共同研究グループは、高性能な有機半導体材料として有用なピセン類縁体である“新材料 2,7-ジドデシルフェナントロ[2,1-b:7,8-b’]ジチオフェン (C12-PDT-2) ”の効率的な合成法の開発に成功しました。さらに、有機電界効果トランジスタ素子を作製したところ、多結晶薄膜において最大ホール移動度 5.4 cm2 V-1 s-1 と極めて高い性能を得ることに成功しました。また、この要因は、均質な高い結晶性を持つ薄膜の形成と 最高被占分子軌道 (HOMO) の形状に由来するものであることを DFT 計算を用いて明らかにしました。本研究成果は12月6日(英国時間午前10時)、英国の科学雑誌「Scientific Reports」に掲載されました。
 本研究成果は、有機合成化学、計算化学、材料化学の三つの分野を融合して達成されたものであり、高性能材料を開発するための新たな知見が得られたものです。今回開発された合成手法を応用することで、高性能な含硫黄多環芳香族化合物を簡便に開発できるため、有機合成化学と有機材料化学の両分野に大いに貢献することが期待されます。

図1 開発した C12-PDT-2 の合成経路および化学構造式

図2 C12-PDT-2 における HOMO の軌道図

<詳しい研究内容について>
高性能な有機電界効果トランジスタ材料の合成に成功 -有機電子デバイスの実用化へ大きく前進-

<論文情報>タイトル: "Transistor Properties of 2,7-Dialkyl-Substituted Phenanthro[2,1-b:7,8-b']dithiophene"著  者:Yoshihiro Kubozono, Keita Hyodo, Shino Hamao, Yuma Shimo, Hiroki Mori, Yasushi Nishihara*論 文 誌: Scientific ReportsDOI: 10.1038/srep38535
発表論文はこちらからご確認いただけます
http://www.nature.com/articles/srep38535

<お問い合わせ>
 岡山大学異分野基礎科学研究所
 教授 西原 康師(にしはら やすし)
(電話番号)086-251-7855
(FAX番号)086-251-7855