1986年のJ. BednorzとK. Müllerによる『Possible High Tc Superconductivity in the Ba-La-Cu-O System』の報告から始まった銅酸化物超伝導体は、現在も当研究室のみならず多くの研究グループによって研究されつづけています。現在では100 K級の超伝導体も数多く発見されています。
『銅酸化物』という名前の由来ですが、これはこの系が結晶構造中に必ず銅と酸素からなるCuO2面を持っていることからきています。Fig.2に最初の銅酸化物超伝導体La2-xBaxCuO4の結晶構造が示してあります。この結晶構造はK2NiF4型と呼ばれるもので、 Ba1-xKxBiO3と同じペロブスカイト型構造と岩塩型構造が交互に積み重なった構造をしています。図中で矢印で示したところがCuO2面です。銅酸化物超伝導体では、このCuO2面が超伝導の舞台となる重要な役目を担っています。