東塚前庭部は、昨年度の調査の結果を受けて、第1列石の状況を確認するため、西側の既掘区を掘り上げ、東側では南北2m、石室主軸ラインより東へ3mの範囲で拡張した。西側の第1列石は土層観察の結果、原位置をとどめていないことが判明した。東側では確実に列石と思われるものは確認されなかったが、10cm大の赤色変成岩を含む造成土が確認され、前端が平面的に「ハ」の字状を呈していることが明らかとなった。また、拡張部分ではピットも確認され、ピット内部より鉄滓が数点出土した。このピットは古墳に伴うものではないと思われる。このほか、拡張部分の東側と南側で弥生土器片が多数出土している。
(左写真)東塚前庭部完掘状況<南から/拡大>