第21回革新的ウイルス対策技術分野叡智共有化プラットフォーム「牛白血病ワクチン開発の最前線#2」

  本分野は、わが国にとって重要な畜産産業を動物ウイルスから守るためのワクチン開発についてのシンポジウム「牛白血病ワクチン開発の最前線#2」を3月28日、宇治市内のワクチン製造会社にて開催しました。 畜産の現場では、さまざまな動物ウイルスによって経済的・社会的な損失が発生しており、全世界規模の問題となっています。また自然界においても動物、植物が失われることが多く、自然・環境問題ともなっています。これらの状況を打開するため、さまざまな動物ウイルス感染から大切な家畜などを守る早期診断法や感染防止の薬剤などの研究開発が強く求められています。 本年度最終回となる今回の第21回プラットフォームでは、これまでに世界に最先端研究を進んで来た「牛白血病ウイルス(bovine leukemia virus;BLV)」をテーマに、前回の京都大学ウイルス・再生医科学研究所でのセッションに引き続き、開催しました。 話題提供者の理化学研究所分子ウイルス学特別研究ユニットの間陽子ユニットリーダーと共に、ワクチン製造現場における取組について、実践的な開発の視点に立った議論を行いました。議論には、中国農業科学院ハルビン獣医研究所の張険峰(Xianfeng Zhang)研究員や内蒙古農業大学獣医学院の格日勒図(Geriletu)教授、それに若い研究人材である分子ウイルス学特別研究ユニットの研究スタッフである綿貫園子研修生と常浩(Chang Hao)研修生らが加わり、基礎から応用、社会実装に至る過程での課題とその解決について議論しました。また、本プラットフォームのコンソーシアム・プログラム・マネージャー(研究管理総括役)の佐藤法仁研究担当学長特命・URAから、ワクチン開発におけるレギュラトリーサイエンスの視点に立った意見交換や、実際の製造現場を視察することで、研究室(ラボ)レベルでのスケールの違いから生まれてくる研究開発の違いについて、実際に現場を見て議論するなど、深みのあるセッションが行われました。 今後、新たに開発されるワクチンについて、広く畜産現場等に社会実装させるため、関係機関との連携をさらに深め、大切な家畜の保護を精力的に押し進めて行きます。

<参考:革新的ウイルス対策技術分野叡智共有化プラットフォーム(過去3回)>

第18回園芸学とウイルス学の異分野融合研究会#2(2017年3月18日)

第19回日中ウイルス対策叡智共有化(2017年3月24日)

第20回農工異分野融合研究開発によるウイルス対策の最前線(2017年3月27日)

話題提供者のひとりである理化学研究所分子ウイルス学特別研究ユニットの間陽子ユニットリーダー ワクチン開発におけるレギュラトリーサイエンスについて紹介する佐藤法仁研究担当学長特命・URA

ワクチン製造現場で意見交換を行う参加者ら








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