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    〔開催趣旨〕

      東アジア地域は、21世紀の世界の発展主導地域であり、約20億人という巨大な人口を抱え、急激な
     経済発展、生活様式の急速な西洋化と人口の高齢化に伴い、薬剤開発及び医薬品市場の大きく発展
     している地域でもあり、また日本人との遺伝子近接が想定される地域です。

      岡山大学では、先端融合領域イノベーション拠点として、国および協働企業からのリソースを得て、
     「ナノバイオ標的医療の融合的創出拠点の形成」事業が進められており、特に岡山大学が日本のリー
     ディング研究機関である遺伝子治療分野において、アジアとの連携を深め、国際的なイノベーション
     拠点の形成を視野に入れており、昨年よりシンポジウム「アジアンスタディ岡山」を開催しています。

      2回目となる今回は、「アジア人のがん体質に関する
     遺伝子多型(SNP)共同研究」と 「免疫賦活遺伝子(IL-
     12)治療の国際共同臨床試験」を中心とする、トランス
     レーショナルリサーチ分野でのアジアンスタディの具体
     的な推進をテーマとして開催いたしました。これらの事
     業を通じてアジアの遺伝子治療中核拠点としての
     研究開発及び情報発信活動の推進を図り、先端融合
     領域の国際的イノベーション拠点としてふさわしい活動を
     展開してまいります。



    〔日時〕  2008年6月8日(日) 10時30分~15時45分

    〔会場〕  岡山コンベンションセンター 1階 イベントホール (MAP

    〔主催〕  岡山大学ナノバイオ標的医療イノベーションセンター (ICONT)
           新医療創造MOT講座 (イーピーエス株式会社 寄附講座)

    〔後援〕  岡山県、岡山市、日本学術会議、中国経済産業局、公設国際貢献大学校、財団法人岡山県産業振興財団、
           財団法人ちゅうごく産業創造センター、社団法人中国地域ニュービジネス協議会、岡山県商工会議所連合会、
           社団法人岡山経済同友会、岡山県医用工学研究会、メディカルテクノおかやま

    〔言語〕  日本語及び英語の同時通訳

    〔参加〕  120名

    〔招聘〕  中国 北京大学泌尿器科教授・中国泌尿器科学会理事長 那彦群 氏
                北京大学腫瘍病院泌尿器科主任教授 季鳴 氏
            シンガポール シンガポール総合病院泌尿器科主任部長 クリストファー・チェン氏
            韓国 韓国前立腺バンク代表・韓国カトリック医科大学 リー・ジョル氏
            日本 厚生労働省医政局研究開発振興課 佐藤大作 氏

 


    プログラム



   10:30~10:50  開会挨拶

      シンポジウムの開催にあたり、本拠点事業統括責任者である
      千葉岡山大学学長、事業全体のご支援をいただく立場から
      文部科学省担当課 生川学術戦略官、ご来賓の方々を代表
      して経済産業省中国経済産業局 杉田局長および海外招聘
      者を代表して北京大学泌尿器科 那教授よりご挨拶をいただき
      ました。

       国立大学法人 岡山大学 学長 千葉喬三
       文部科学省 科学技術・学術政策局 科学技術・学術戦略官 生川浩史 氏
       経済産業省 中国経済産業局 局長 杉田定大 氏
       北京大学泌尿器科教授・中国泌尿器科学会理事長 那彦群 氏

  

       北京大学泌尿器科教授 ・ 中国泌尿器科学会理事長
       那彦群 氏 (NA Yan-Qun)
         1970年中国天津医科大学医学部卒業。同年医学士号(医学)取得。天津市天津医院泌尿器科を経て、
         1976年北京大学第一医院泌尿器科勤務。1990年同大学第一医院泌尿器科教授。現在は、北京大学
         泌尿器科研究所所長(2002年~)、北京大学首鋼医院院長 (2003年~)、北京大学腫瘍病院主席科研
         専門家(2007年~)を務める。 現在は、膀胱老化の標準診断と治療に関する研究、前立腺肥大症の
         分子生物学的発症機序および低侵襲治療の研究、前立腺肥大症特異蛋白の検出法および機能分析の
         研究、 膀胱癌において過発現する膀胱特異遺伝子BCA1の検出法および臨床応用の基礎研究などを
         研究領域としている。




   10:50~11:20

    主催者講演  「ICONT事業の現状とアジアンスタディの展開」

      岡山大学大学院医歯薬学総合研究科 教授
      ナノバイオ標的医療イノベーションセンター長  公文 裕巳

                                       (座長:岡山大学 理事・副学長 曽良達生)


      岡山大学では、現在 国及び民間企業からリソースを得て「ナノ
     バイオ標的医療の融合的創出拠点の形成」事業(ICONT事業)
     を展開している。研究開発の成果はめざましく、特に岡山大学が
     日本トップの実績を誇る遺伝子治療の領域において、新たに
     臨床研究に進めるべきシーズが創出され、事業化を見据えた
     有望な大学発ベンチャー企業も輩出している。さらに、今年度の
     科学技術振興調整費では、岡山大学主導で、日本・中国・韓国
     シンガポールの各国を代表する研究機関の参画を得て、「アジ
     ア人の癌体質と遺伝子治療共同臨床研究」のためのインフラ
     ストラクチャーを構築する事業が採択され、前立腺がんを対象と
     して国際共同研究が7月よりスタートする。
      岡山大学で、今まさに加速度的に進みつつある、世界と競争
     できる遺伝子治療の国際研究拠点開発の進捗状況を報告する
     とともに、アジアとの互恵的な研究開発連携の将来像を展望する。


      
        岡山大学大学院医歯薬学総合研究科 教授
        ナノバイオ標的医療イノベーションセンター長  公文 裕巳
          1974年岡山大学卒業。1978年同大学大学院医学研究科(ウイルス学)修了(医学博士)。1990年同大学
          医学部泌尿器科学講座助教授。 1998年同大学医学部泌尿器科学講座教授。2003年より遺伝子・細胞
          治療センター長、総合患者支援センター長を併任。また、岡山県医用工学研究会会長(2004年~)、メディ
          カルテクノおかやま会長(2005年~)、ICONTセンター長(2006年~)を務める。
          現在は、前立腺がんに対する遺伝子治療、難治性泌尿器科がんに対する細胞治療・免疫治療、先進的
          低侵襲性医療の推進、包括的患者支援・患者学習・ボランティア育成支援、産学連携による展開研究など
          を研究領域としている。最近では2007年日本化学療法学会志賀潔・秦佐八郎記念賞受賞。2008年山陽
          新聞賞(学術功労)受賞。




   11:20~11:45

    セッションⅠ  「アジア人のがん体質に関する遺伝子多型(SNP)共同研究」

      岡山大学大学院 医歯薬学総合研究科 教授 清水 憲二

                                        (座長:岡山大学医学部長 松井秀樹)


     がん体質遺伝を解明するために、我々は様々ながん種の発症
     リスクに関わる遺伝子多型、特にアミノ酸置換を伴うミスセンス
     1塩基多型(SNP)を広範に解析してきた。本講演では、我々が
     特定した48種のSNP遺伝子型の重複によって、日本における
     主要な8種のがんの個人別発症危険度を予測する方法を紹介
     する。本法により、がん種毎に健常人中約10%の高リスク群の
     特定が可能となった。更に、アジア人は共通の遺伝的背景を
     持つため、本研究はアジア人全体への応用が期待される。特に
     今後アジアで罹患率が急増すると考えられる前立腺がんを標的
     とした研究戦略の具体的展望を試みる。


      
        岡山大学大学院 医歯薬学総合研究科 教授
        清水 憲二
          1972年九州大学大学院理学研究科(分子遺伝学) 中退。1976年博士号(理学)取得(九州大学)。
          1988年九州大学理学部助教授。1988年同大学医学部助教授。1994年岡山大学医学部分子細胞
          医学研究施設教授。2001年同大学大学院・分子遺伝学分野教授。現在は、岡山大学自然生命
          科学研究支援センター・副センター長 (2004年~)も務める。1980年にJ・ワトソン博士に米国 Cold
          Spring Harbor研究所へ招かれ、ヒト癌遺伝子の研究を開始して以来、27年間にわたり癌の分子遺
          伝学的研究に従事。現在の研究領域は、発癌高リスクグループの遺伝的素因に関する研究、 神経
          疾患・循環器疾患等の遺伝的素因・遺伝子変異の研究、癌化に関するプロテオミクスの研究、ヒト
          癌の発症における機能性低分子 RNA の役割の研究など。




   11:45~12:10

    セッションⅠ  「韓国前立腺バンク」

      韓国前立腺バンク代表・韓国カトリック医科大学 リー・ジョル氏 (Ji Youl Lee)

                                        (座長:岡山大学医学部長 松井秀樹)


      韓国前立腺バンクは、韓国カトリック大学のカンナン・セント
     メリー病院内に、2006年の6月1日に設立されました。その設
     立は、韓国科学技術省と韓国科学工業財団により支援を受け
     2007年4月には、韓国国立研究資源センターへ参画いたし
     ました。
      ヒト由来の生物学的検体は、生物化学の研究および医薬品の
     開発に必要な資源です。ヒト遺伝子の全ての情報の解析が、
     ヒトゲノム計画の完遂と共に為されました。ヒト遺伝子の機能と
     活性に関する研究が、中心的な研究主題になってきています。
     最近では、個に対する医療という概念が、医学研究者の中で
     新しい方法論として出現してきています。ヒト生物学的検体バ
     ンクは、特定の傾向をもった患者群において適切な診断と細
     分化された治療を行う個に対する医療の取り組みを実現する
     ために、生物学的検体を収集、保存、分配しています。
      私たちは、韓国前立腺バンクが多くの研究施設に支持され、
     有用に活用されることを望んでいます。韓国前立腺バンクと
     アジア前立腺バンクネットワークの双方を、より効果的に、また
     最大限に活用し、医学分野の科学研究者の研究推進に貢献
     したいと考えています。


      
        韓国前立腺バンク代表・韓国カトリック医科大学
        リー・ジョル氏 (Ji Youl Lee)
          1989年韓国カトリック医科大学卒業。 1997年博士号(医学)取得(韓国カトリック医科大学)。コロンビア
          聖メアリー病院泌尿器科勤務を経て、2000年ピッツバーグ大学医療センター研究員。 2002年より韓国
          カトリック医科大学准教授。韓国泌尿器科ジャーナル編集委員、バイオマテリアルリサーチ編集委員。
          韓国前立腺学会事務局長、韓国泌尿器研究学会事務局長、韓国泌尿器内視鏡学会理事、韓国尿禁制
          学会理事。 最近では2005年韓国前立腺学会より学術賞(臨床研究)を受賞。2007年韓国泌尿器科学
          会より学術賞(基礎研究)受賞。




   12:10~13:10  昼食・休憩



   13:10~13:25

    セッションⅡ  「中国における前立腺癌の現状」

       北京大学腫瘍病院泌尿器科 主任教授 季鳴 氏 (Li Ming)

                          (座長:岡山大学大学院医歯薬学総合研究科長 田中紀章)


      前立腺癌は中国で急速に増加している。中国の多くの都市と
     地域のデータによると、1998~2002年の間に、前立腺癌の急
     激な増加傾向が見られる。1988-1992年の間では1.96/1000
     1993-1997年の間では3.09/1000、1998-2002年の間では
     4.36/1000であった。2002年以降 現在までのいくつかの医療
     機関のデータでも著しい増加傾向を示している。
      さらに最近の研究では、前立腺癌の約1/4の症例がPSA値
     4ng/ml未満で見つかっている。アメリカ合衆国およびヨーロッ
     パの国々の泌尿器科医は、より早期の前立腺癌の診断率を
     改善し、また発見するためには、PSAのカットオフ値を2.5ng/ml
     にしても良いのではと示唆している。この より低いPSAのカット
     オフ値は、中国人にとっても適切であろうか。データによると
     前立腺癌発見率は、トータルPSA値が<4ng/mlでは3.1%、
     4-10ng.mlでは11.6%であると示されている。PSA値<4ng/ml
     という より低いPSAのカットオフ値は、直腸診陽性以外の中国
     人症例にとっては適切ではないのかもしれない。
      PSA検査が1990年代の早期に中国に導入されて以来、より多くの早期前立腺癌患者が診断
     されてきた。現在では、約20-30%の限局性前立腺癌患者が前立腺全摘除術を受けているが
     この1980年代では前立腺全摘除術をうけた患者は10%未満であった。より多くの早期前立腺
     癌が見つかってきているが、それでも半数以上の患者は診断時に既に進行前立腺癌である。
     その主な理由として、中国の非常に多い人口においてPSAスクリーニングを行うことが現時点
     では不可能であることが挙げられる。我々は、PSA検査を50歳以上で下部尿路症状およびその
     他の尿路症状を示す患者のみ行っている。
      前立腺癌に対して選択される治療法は、中国の様々な地方によって極端に異なっている。
     より正確な治療前病期診断と、より根治的な治療法が大都市においては選択されているが、
     より多くの農村地方の症例においては除精巣術が施行されている。2006年の中国泌尿器科
     学会において中国全土から泌尿器科専門医が集まり、前立腺癌に対するガイドラインである
     「前立腺癌に対する中国におけるガイドライン」が2007年に発行された。このガイドラインの
     目的は、中国全土における泌尿器科医の意見を統一し、前立腺癌の診断および治療を改善
     することである。


        
        北京大学腫瘍病院泌尿器科 主任教授
        季鳴 氏 (Li Ming)
          1982年新疆医科大学卒業。1992年博士号(医学)取得(ドイツ・ヨハネスグーテンベルク大学)。
          1994年北京大学泌尿器科研究所助教授。米国テキサス州立大学アンダーソンがんセンター勤務を
          経て、2001年テキサス州ベイラー医科大学講師。 2002年北京大学泌尿器科研究所副所長。2007
          年に北京大学腫瘍病院に赴任し、泌尿器科を立ち上げ、泌尿器科の臨床および研究を可能とした。




   13:25~13:45

    セッションⅡ  「アジアにおける前立腺癌治療の課題」

     シンガポール総合病院 泌尿器科 主任部長
     クリストファー・チェン氏 (Cheng Wai Sam, Christopher)

                          (座長:岡山大学大学院医歯薬学総合研究科長 田中紀章)


      アジアにおける前立腺癌の発生率は、日々の生活水準の
     向上に伴い上昇傾向にある。この上昇には、診断が活発に
     なったことから、環境と遺伝学的要因との相互作用に至る
     まで多くの基礎条件が関係していると考えられる。前立腺
     癌に対して明らかとなっている癌予防法がない今日、この
     癌撲滅の解決策は、未だ早期診断と効果的治療に支えら
     れているといってよい。PSA検査に基づいた診断手順の問
     題点が、前立腺癌予防トライアルの中で日々の生検により
     発見される、正常PSA値であっても深刻な前立腺癌である
     場合があることにより、明らかなとなってきている。間違い
     なく癌陰性であることを前立腺生検により確かめるために
     は、全ての重篤な癌を除外できるような全体的な前立腺
     生検を行う必要がある。コンピューター化されたロボットに
     よる生検機器を用いた臨床トライアルの結果は、この機器
     がそれを達成しうる可能性があることを示している。次に、積極的な癌経過観察や治療の
     決断は、現在のところ、主観的病理検査であるグリーソン・スコアーによる危険度評価に
     則って為されている。より客観的に悪化することが予測される患者を見極め、治療を提供
     することが、極めて必要となっている。幾つかの現在進行中の研究がこの点について焦点
     を当てている。さらに、根治的前立腺全摘除術は局限性癌の治療として最も効果的な治療
     法であるかもしれないが、その術後の生活の質の問題点は未だ解決されていない。ごく
     最近のデータによると、ロボットの使用、不使用に関わらず更に洗練された腹腔鏡下前立
     腺全摘出術の技術の結果として、その問題点の改善が示唆されている。最後に、微小
     転移の可能性のある局限性進行癌と診断された患者にとって、効果の約束された効果的
     な追加全身治療法が積極的に追求されるべきであり、その結果として、この非常に治療
     選択が悩ましい患者群の治療効果の改善が期待されるであろう。


        
        シンガポール総合病院 泌尿器科 主任部長
        クリストファー・チェン氏 (Cheng Wai Sam, Christopher)
          1990年~1992年アメリカ・メイヨークリニック泌尿器科において泌尿器腫瘍の研究に従事。 1993年
          博士号(医学)取得。現在はシンガポール総合病院泌尿器科主任部長に加え、シンガポール国立大学
          医学部准教授も兼務。シンガポール泌尿器科学会会長を務め、 同国泌尿器科のオピニオンリーダーで
          ある。「アジア泌尿器科の父」といわれているK. T. Foo教授の後継者であり、Foo教授が会長を務める
          Asian School of Urology (ASU)を実質的に運営している。




   13:45~14:05

    セッションⅡ  「免疫賦活遺伝子(IL-12)治療の国際共同臨床研究」

       岡山大学大学院 医歯薬学総合研究科 准教授 那須 保友

                          (座長:岡山大学大学院医歯薬学総合研究科長 田中紀章)


      InterLeukin(IL-12)は腫瘍に対する強力な免疫賦活化
     作用をもった物質であり、その臨床応用は以前より注目さ
     れていた。
      岡山大学では前立腺がんを対象に「IL-12遺伝子発現
     アデノウイルスベクターを用いた遺伝子治療臨床研究」を
     国からの承認を得て5月13日より実施している。
      一連の計画を中国、シンガポールに技術移転し、各国
     当局への実施申請をおこない、国際的共同臨床研究を
     推進し、トランスレーショナル・リサーチネットワークの確
     立をめざす。


        
        岡山大学大学院 医歯薬学総合研究科 准教授
        那須 保友
          1986年岡山大学卒業。同年博士号(医学)取得(岡山大学)。1991年岡山大学医学部附属病院
          講師。 1996年~1998年まで米国テキサス州ベイラー医科大学泌尿器科へ留学し、前立腺癌を
          はじめとする尿路性器癌に対する研究に従事。2005年岡山大学医学部泌尿器科学講座 助教授。
          日本泌尿器科学会専門医・指導医、日本泌尿器内視鏡外科学会評議員(広報委員、学術委員、
          国際委員)、日本遺伝子治療学会評議員(学術委員)、 泌尿器腹腔鏡技術認定医、日本がん治
          療認定医機構・暫定教育医。最近では 前立腺癌遺伝子治療に対する業績に対して、2006年岡山
          県文化奨励賞(学術部門)、日本 遺伝子治療学会Journal of Gene Medicine賞を受賞。2008年
          林原賞を受賞。




   14:05~14:20  コーヒーブレイク



   14:20~15:40  パネルディスカッション

                「先端医療における東アジアでの国際共同研究の推進」


     基調講演 「アジアンスタディと日本の役割」

       厚生労働省 医政局研究開発振興課 佐藤大作 氏

        検証的臨床試験・治験のアジア地域での国際共同
        研究の実施が加速している。一方、探索試験は、
        先進技術の特性、疾患の科学的な知見の共通の
        蓄積等によるため、共同研究実施への課題が多い。
        日本は、全国的なTR・臨床試験の体制整備を推進
        すると同時に、基礎研究と融合した医学研究の総合
        力を生かし、アジアとの協働において、探索的臨床
        試験での一定の先導的な役割を果たすことが期待
        されている。


      (モデレーター)
         早稲田大学理工学術院 教授 浅野茂隆氏
         川崎医療福祉大学 教授 梶谷文彦氏

      (パネリスト)
         北京大学腫瘍病院 泌尿器科主任教授 季鳴氏
         シンガポール総合病院 泌尿器科主任部長 クリストファー・チェン氏
         韓国前立腺バンク代表・韓国カトリック医科大学 リー・ジョル氏
         厚生労働省 医政局 研究開発振興課 佐藤大作氏
         岡山大学大学院医歯薬学総合研究科 教授 公文裕巳
         イーピーエス株式会社 代表取締役 厳浩


        
        厚生労働省 医政局 研究開発振興課 課長補佐
        佐藤 大作 氏
          1990年東京大学薬学部薬学科卒業。1992年東京大学大学院薬学系研究科修士課程修了。1992年
          厚生省入省(生活衛生局)。世界保健機関(WHO)本部事務局、厚生省薬務局、国立医薬品食品衛生
          研究所医薬品医療機器審査センターを経て、1998 年厚生省医薬安全局審査管理課。2001年厚生労
          働省医薬局審査管理課化学物質安全対策室。2002年厚生労働省医薬局総務課医薬品医療機器総合
          機構設立準備室。 2004年厚生労働省医薬食品局血液対策課。2006年より現職。薬剤師免許取得(19
          92年)日本薬学会会員。
   
         
        イーピーエス株式会社 代表取締役社長、岡山大学MOT講座 客員教授
        厳 浩
          1962年中国江蘇省生まれ。1979年天津大学に入学。1981年中国教育部国費留学生としてコンピュー
          タ科学を 学ぶために日本の山梨大学に留学。同大修士課程終了後、東京大学博士課程で医学統計を
          専攻し、臨床試験にかかわる研究・実務に従事する。東京大学大学院在学中の 1991年、臨床試験受
          託の現イーピーエス(株)を創業、代表取締役社長に就任し、現在に至る。同社は2006年9月に東証一
          部に上場。





   15:40~15:45  閉会挨拶

                岡山大学 新医療創造MOT講座 客員教授 厳 浩





   岡山産業界による アジアンスタディ岡山’08 ・ 秦博士記念展 交流会


    岡山大学が中心になって研究がすすめられている先端医療技術をシーズに「岡山から日本を元気に
    する医療産業づくり」への応援と、交通アクセスが充実している岡山県に於けるアジアンスタディの今後
    一層の推進を後押しすることを目的に 地元 岡山県産業界の主催による交流会が行われました。


    〔 日 時 〕 平成20年6月8日(日) 17時00分~18時00分

     〔 会 場 〕 岡山全日空ホテル 19階 スカイバンケット「宙」

     〔 参 加 〕 100名

     〔参加費〕 3,000円

     〔 内 容 〕 ご挨拶
               岡山県副知事 島津義昭氏
               岡山経済同友会 代表幹事 越宗孝昌氏
             乾杯のご発声
               岡山県経営者協会 会長 末長範彦氏
             中締め
               岡山大学大学院医歯薬学総合研究科教授 公文裕巳