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人材育成事業 メディカルライティング入門講座 開催報告 |
【開催趣旨】 文部科学省が平成18年度から開始した「先端融合領域イノベーション創出拠点の形成」事業において、 岡山大学が提案した「ナノバイオ標的医療の融合的創出拠点の形成」が採択され、ナノテクノロジーと バイオテクノロジーの融合によるヒトに優しい標的医療を実現するため、「ナノバイオ標的医療イノベー ションセンター(ICONT)」の拠点化を目指しています。ICONTの中で「有望シーズの開発からの創薬開発、 臨床試験までの全ステップを俯瞰し、個々の専門性を追及できる人材の育成」を目標に、人材育成事業を 開発しております。 今回、創薬の全体の流れを理解するには欠かせない「メディカルライティング入門講座」を開講いたしま した。講義は、降圧剤の開発等を実例とした実践的な内容で、医薬品開発の流れをご紹介の後、開発の 際に必要となる薬事・臨床書類の作成について、概要を分かりやすく解説していただきました。 |
(メディカルライティングとは) メディカルライティング(メディカルライター)とは、広義には「生物医学に関する何らかの文書を 作成するもの」と定義されています。医療・健康に関連する情報発信のための手法ですが、特に 製薬企業が主体となって医薬品承認申請・取得のための文書作成はファーマシューティカル・ライ ティングと呼ばれることもあり、メディカルライティングの一部です。今回の講義では、特に、製薬 企業・大学・行政機関などにおける薬事申請書類の作成を想定したライティング(ファーマシュー ティカル・ライティング)を取り上げます。 医薬品の承認申請に関連するライティングでは、専門用語による、円滑な薬事申請・研究推進・ 研究成果発表を目的としているため、規定の形式や表現、論理構造を用いることが求められます。 欧米では、メディカルライターの社会的地位が確立し、職能団体としてAMWA(American Medical Writers Association 1940年に設立されたメディカルライターの支援組織。メディカルライティング の幅広い教育プログラムや出版物、会員間の情報交換、キャリア構築のためのネットワークの 場を提供する。現会員はアメリカ・カナダを中心に、世界各地で5,000名以上)やEMWA(European Medical Writers Association 1989年にAMWAのサポートを受けて設立されたヨーロッパの組織。 AMWA同様、総会・ワークショップへの参加などによる教育の機会、情報交換の場を提供し、プロ フェッショナルネットワークの構築が可能である。現会員はヨーロッパを中心に5,50名以上)が有 名ですが、これまで日本では、医学文書のライティングに関する教育がほとんど存在しませんで した。医薬品の承認申請という特定の分野に限らず、広く一般市民に対しても、保健と医療に 関する情報を正しく伝達することの意義について理解を求めるとともに、医学・薬学を主とする自 然科学領域の研究機関、企業、メディア等の関係者に教育、啓発活動などの場を提供することを 目的として、2002年に日本メディカルライター協会(JMCA)が設立されています。 |
【日時】 2009年1月15日(木) 13:30~16:30 【会場】 岡山大学附属図書館 鹿田分館3階 情報実習室 【主催】 岡山大学ナノバイオ標的医療イノベーションセンター 岡山大学新医療創造MOT講座 【講師】 安藤聡美先生 大阪大学薬学部卒業 東京大学大学院医学系研究科修了 ノバルティスファーマ株式会社 臨床ドキュメント管理部部長 【受講者】 学内・ICONT拠点内の学生、医師、研究者、関連企業の研究者(合計25名) 【講義内容】 1.臨床研究・臨床試験・治験 *臨床研究と臨床研究の定義 *臨床研究の種類 2.医薬品承認申請のための開発プロセス *医薬品開発の基本的な流れ *日本での医薬品開発戦略の変遷 *医薬品開発と臨床試験(高血圧治療薬の開発を事例ニ) 3.医薬品開発とメディカルライティング *医薬品企業でのメディカルライティングとは *医薬品企業で作成するメディカルドキュメント 【受講料】 無 料 |