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2007年度 インターンシップ 岡山大学法学部生の就業体験実習

 岡山大学法学部では,2000年よりインターンシップ(就業体験実習)を行っています。
 インターンシップは,在学中に一定期間,民間企業や行政官庁,法律事務所などの職場で実際に業務を体験することにより, 大学で法律学・政治学を学ぶことの意味を実践を通じて理解し,また将来的には自らに適した進路を選択する力を皆さんにつけてもらうことを目的としたカリキュラムです。
 対象は原則として3年次生(場合によっては4年次生も可)で,夏季休業中の2週間に実習を行います。

インターンシップ報告会の様子

インターンシップ風景

インターンシップ報告書

岡山放送株式会社 編成部

法学部3年 村上 嘉奈子

 今回のインターンシップで私は10日間、岡山放送でお世話になりました。私は、具体的な報道番組の制作以上に、テレビ局と局外(スポンサー・視聴者など)との関わり方や企業の広報活動に興味があったので、その意向を酌んでいただき編成部で実習させていただきました。実習に入る事前に、岡山放送のタイムテーブルやホームページを参考に、どんな番組が放送されているか、また自社制作の番組の特色について自分なりに考えておきました。しかし、編成部の仕事について自分ではぼんやりとしかイメージできていなかったので、学びたいことについてある程度具体化しておけばよかったと思いました。

 編成部の業務は、どのような番組を選んで放送するかというタイムテーブルの作成を始めとして視聴率分析、番組の考査、番組宣伝の組込み、視聴者対応などここでは書きつくせないほど非常に多岐に渡っていて、そのことにまずは驚かされました。タイムテーブルの作成では、既に決まっているキー局(岡山放送ではフジテレビになる)の番組や時季や話題性などを手がかりにして、ドラマの再放送などは何を放送すれば一番視聴者を惹きつけられるのかを考えながら決められていました。放送番組を決めているタイムテーブルがいわば局のカラーや意向を表す「名刺」代わりであり、その「名刺」を私たち視聴者が見て実際に視聴しようするので、タイムテーブル作成は非常に責任重大なものだと感じました。

 また自社番組の企画会議に参加して意見を述べることも、編成部の大切な仕事の一つです。1つの番組を作るとき、制作サイドが作りたい番組、番組スポンサー企業が作ってほしいという番組それぞれの意見があるそうですが、それだけでは偏った内容の番組になってしまう虞があります。そこで「第3の意見」として、視聴者にある程度近い立場にある編成部も意見をどんどん出していくことがこれからの番組作りに求められると感じました。

 たくさんの業務を見学、体験させていただきましたがどれも番組が放送されるまでに欠かせないもので1つ1つに細やかなチェックがなされており、感銘を受けました。1人では到底成し遂げられないようなことを成功させているという、そこには部署に関係なく築き上げられた信頼関係が存在しており、強固な結束力を肌で感じました。そして、大変根気の必要な責任ある仕事を行いながらも、皆さんテレビが好きでその気持ちを楽しみに変えながら意欲的に取り組んでおられました。私も岡山放送の皆さんのような意気込みで、色んなところに目を向けて学習し、体験しながら大学生活を有意義に過ごしていきたいです。

 最後になりましたが、お忙しい中ご指導くださいました岡山放送の皆様と、このような機会を与えてくださった学生委員会の先生方に、心より感謝申し上げます。インターンシップでは普段できない貴重な体験ばかりで、とても勉強になりました。この経験を活かして、より自分自身を成長させていきたいと思います。

株式会社中国銀行

法学部3年 能島裕貴

 今回のインターンシップにあたり、中国銀行での事前の打ち合わせ会でいただいた銀行に関するパンフレットに一通り目を通して銀行についての簡単な知識を得るとともに、中国銀行のホームページを見て経営理念などを事前に調べました。新聞の経済面を毎日読むことで経済の話題などを自分なりにまとめることもしました。

 インターンシップでは、自己認識の一環として自己紹介をビデオに撮り、話し方や手振りなどを検討しましたが、日常生活では気にかけていない目線や声の大きさなどの改善点が明確になりました。就職活動における面接だけではなく、就職後も必ず必要となることなので、改善点を発見することができてよかったです。また、銀行員の話を聞いて、人生設計の大切さを学びました。就職は自分のこれからの人生の大きな部分を占めることになるので、就職活動は職業の選択にとどまらず、人生の選択ともいうことができ、真剣に考えなければならないということを心に刻みました。そのため、就職活動では就職のことだけではなく人生設計を考える必要があり、その人生設計に基づいてお金も計画的に貯蓄、運用していかなければならないということを切実に感じました。

 インターンシップでは積極的に発言、質問することの重要性を再認識させられたので、ゼミやその他の講義でもその積極性を忘れないようにしようと思います。また、銀行でお客様の満足度を上げるためには問題点を挙げる必要があるので、常日頃から問題を考えながら業務を行わなければならないという話を聞き、常日頃から問題意識をもって大学生活を送ろうと思います。インターンシップにより、どのような分野のことでも知識が多い方がよいということを学んだので、法律・政治だけでなく他の分野にも興味をもち、本を読むことなどで知識を増やしていきたいです。

 今回のインターンシップでは本部や支店の見学を行いましたが、どの銀行員も自分の仕事に責任と誇りをもって働いていると感じました。お客様の大事なお金を取り扱うということで、どの部署や支店でもお客様に対しては笑顔を忘れず、その他の時は緊張感をもって自分の仕事に取り組んでいました。やはり職場には張りつめた感じもあったと思います。しかし、どの銀行員も仕事は堅いけれどもユーモアがあり、さまざまな特技や趣味をもっていて、イメージしていた像とは少し違いました。担当者や講師の方々の仕事に関する話を聞いていて、誇りをもって職務にあたっているということを身をもって感じました。

 インターンシップに参加して、銀行業務についての知識を得ただけでなく、社会人として働くということを学ぶことができ、とても有意義なものであったと思います。現在、法学部独自のインターンシップは限られており、経営者協会によるものを含めても企業へのインターンシップはほとんどありません。参加するかどうかは学生次第ですが、学部としてインターンシップを推奨するとともに、受け入れ先の選択肢の幅を増やすことができれば、きっと大学生活がより豊かなものになると思います。

岡山県生活環境部循環型社会推進課

法学部3年 廣田秀爾

 私は、岡山県生活環境部循環型社会推進課で、2週間、就業体験をさせて頂きました。私が今回のインターンシップに参加した動機は、私自身の希望の進路が公務員であるため、公務員の職務というものを実際に体験してみたいというのが主たるものでしたが、その一方で、行政法ゼミを履修している自分としては、岡山県庁が行政機関としてどのようなことを行っているのかということを学びたいという気持ちからも、今回のインターンシップに参加しようと決めました。担当の方から事前訪問、事前学習の必要はないとの指示を受けたので、今回のインターンシップにあたって事前に取り組んだことといえば、岡山県庁のホームページをチェックし、岡山県の環境白書に目を通す程度でした。

 実習中の2週間は毎日が非常に充実したもので、課の皆様から循環型社会推進課で行われている業務内容、循環型社会構築のために今後岡山県が取り組んでいかねばならない課題、そして公務員、さらには社会人として遵守しなければならない倫理についてなどを、非常に丁寧に、わかりやすく説明していただき、初めて見聞きする事柄もスムーズに理解することができました。

 また、実習中は県庁内での実習のみならず、循環型社会推進課が主催する「ふれあいECO展」というイベントの補助をさせていただいたり、有識者の方々を交えたごみ処理に係るガイドライン策定検討の委員会に出席させていただいたり、産廃処理業者への監視指導などに同行させていただいたりと、様々なところに連れ出して下さり、実際の現場に立ち会うということで、循環型社会推進のための行政とはどのようなものかを自らの五感で感じ取ることができ、机上において環境白書や書類などのグラフや数値とにらめっこをするというのではなく、実際に現場に赴いて出先機関や事業者と協議を行うことの重要さを実感することができました。また、今回の就業体験実習中、岡山県と友好関係にあるインド国プーネ市の市職員の方々が岡山を訪れ、岡山県内のごみ処理施設を視察して回られるということで、私も同行させていただき、行政上の国際的な交流という非常に貴重な体験もさせて頂きました。

 私は、今回のインターンシップで、循環型社会形成のためには、県、県民、事業者、有識者が相互に協力し合い、一体となって行動していくことが必要不可欠であるということを学ぶことができました。循環型社会推進課の方々が行っている活動は、常に将来的な視点から政策を考え、限りある資源の使用をこの先どれだけ抑えていけるか、毎日出てくるごみの量を減らし、最終処分場の寿命をどれだけ延ばすことができるかなど、将来人類が生存していくために必ず立ち向かっていかなければならない課題を扱うという非常に重要なポジションを担っているということを実感し、今後の自らの大学生活においても、岡山県に暮らす一人の人間として、常に循環型社会実現のために行動していかなければならないということを自覚しました。

 最後になりましたが、ご多忙の中、親切にご指導してくださった循環型社会推進課の皆様、また、このような貴重な体験の機会を与えてくださった法学部学生委員会の皆様、その他関係者各位の皆様に厚く御礼申し上げます。本当にありがとうございました。

岡山地方法務局

法学部3年 枇杷原れい

 私は8月20日から31日までの2週間、岡山地方法務局でインターンシップをさせていただきました。法務局を希望した理由は、実際に公務員として働いていらっしゃる方々の様子を見、仕事の内容を理解することによって、自分の将来についてもう一度しっかりと考えたい、また、せっかく体験するのであれば、大学で勉強している法律というものを少しでも使える所でインターンシップがしたいと思ったからです。

 インターンシップに行くにあたっての事前準備としては、ホームページで法務局ではどのような業務をしているのかを調べたくらいで、十分な準備が出来ていたとは言えませんでしたが、インターンシップ初日に法務局全体の業務についての説明をしていただき、その後、各課・部門においても仕事の内容などについて詳しく教えていただいたので、よく理解できたように思います。

 このインターンシップを通して私が一番感じたのは、人と人との繋がり、つまり相手の立場に立って考えることの大切さでした。まず「人権擁護課」では、人形の中に入って近くの保育園に人権啓発活動に行ったり、人権擁護委員の先生と人権問題に関してディスカッションをしたりしました。人権擁護課に相談に来る方々は、自分の考えられる様々な方法を試し、それでも解決できず、最後の砦として法務局に助けを求めに来るそうです。相談者の方々が抱えている様々な悩みについて、どのようにすればよりよい解決が出来るのか一緒に考え、その問題について本気になることが大切だとおっしゃっていました。次に「登記部門」では、実際に窓口に立たせていただきました。お客様が必要としているのは何であるか瞬時に理解し、確認し、提供するということは本当に大変なことだと思います。また、一つの登記を受け付ける際にも、「調査部」、「表示部」といった何人もの方々によりチェックがなされ、正確さが担保されているということがよく分かりました。最後に「訟務部門」では、裁判所に提出する書類の作成体験をしました。ここでは、国が訴訟の当事者となった場合に、国の代理人として法廷に立つのも法務局の役割であるということなど、初めて知ることも数多くありました。

 緊張してインターンシップ初日を迎え、色々とお話をしている中で、「明日は人権啓発活動で人形の中に入るらしいよ」と言われ、とても驚いたのを今でもはっきりと覚えています。また、登記部門では、土地の分筆のために現場に行って測量をしたり、筆界特定事務でも、実際に調査をしたり、申請人の方々に立ち会って頂いてお話を聞いたりしました。私は「法務局=お役所=デスクワーク」というイメージを持っていたのですが、そのイメージはインターンシップが進むにつれてどんどん崩れていき、私たちの生活に密接に関わっている仕事を行っているということがよく分かりました。また、将来どのような仕事に就いたとしても、今大学で勉強している法的な物事の考え方は無駄にはならないということを感じることが出来ました。

 最後になりましたが、大変お忙しい中、貴重な体験をさせてくださった岡山地方法務局の皆様、法学部学生委員会の皆様、そして岡山県経営者協会の皆様に感謝申し上げます。本当にありがとうございました。

太陽綜合法律事務所

法学部3年 井上聡之

 抽象的にしか捉らえる事が出来ていない法曹(の職務)のイメージを,より具体的なものにする事で,自らの将来はこうありたいという法曹像を再構築し,その為の方法論を探る。今回,僕がインターンシップへの参加を希望したのは,そういった理由からでした。実習までの期間,この作業が効率的に行なえる様,基本書を通読する事で,知識を確認する事は当然の事,今の自分の特性(長所・短所)を把握し、今自分が描いている法曹というもののイメージをより明確にし,その上で現段階,自分はどの様な法曹になりたいと考えているのかについて,自己分析をしっかりと行っておく様に努めました。

 あくまでも教育・研究機関である「大学」という環境の中に居ただけでは,どれだけの本を読もうとも,どれだけのディスカッション・ディベートに参加しようとも,生きて法が機能している様を見分する事は出来ません。どうしても学問的な,現実の紛争・事件から乖離した抽象論の中で,理論や結論の妥当性にばかり目が行きがちになり,一つ一つの事例の奥に居る,広い意味での関係人(例えばクライアント,相手方,被告人,被害者,それらの家族等)の姿までもを感じ,考える事が出来ません。しかし,法曹として真に重要な事は,生の当事者の主張を聞き,双方の感情を慮り,妥当な落とし所を見つけだす事であって,学問的な理論・結論を追求する事に主眼を置いてはならないのだという事を,十日間の実習の中で理解する事が出来ました。勿論,法律論・法律構成を推敲する事は必要であり,そこを疎かにしてよい訳ではありません。しかし,そればかりに固執する事は,最早「自分の為の主張」であって,「クライアントの為の主張」とは必ずしも結び付かないのです。「主張を押し通そうとする姿勢」は,学問としての法を研究する際には必要とされる事が有りますが,法曹という職に於いてはむしろ「必要な時には一歩引く姿勢」を身に付けなくてはなりません。私が今まで見落として来たこの視点を,実習の中で学ぶ事が出来たのは,法曹を目指す自分にとって非常に貴重な経験でした。

 その外に,十日間の間,幾つもの事例に実際に触れ,検討する中で,様々な事を学ぶ事が出来ました。普段の学部学習に於いては,ある一定の範囲の中からの出題である事を事前に把握している為,大筋で論点を見失う様な事は有りませんが,実際のクライアントの方のお話(それも法的に秩序立てられた訳ではないもの)を見聞きしただけで,解決策を検討するという作業は,事前の想像以上の困難を極め,自分の力不足を強く認識し,勉学に励む原動力とする事が出来ました。

 最後になりましたが,大変お忙しい中,時間を割いて熱心なご指導・ご鞭撻を賜りました太陽綜合法律事務所の弁護士の先生方,そして事務員の皆様には,心から感謝致しております。太陽綜合法律事務所で十日間の間に経験し,学んだ事を決して腐らせる事無く,真摯に受け止めて活かすと共に,今後の勉学への励みにしたいと考えております。また,快く一学部生の同席を承諾して下さいましたクライアントの皆様,この様な貴重な機会を提供して下さいました法学部インターンシップ実行委員会の皆様にも,この場を借りて深く感謝の意を述べさせて頂きます。

岡山合同法律事務所

法学部3年  藤永 泰恵

 私は、今回岡山合同法律事務所にお世話になりました。法律事務所を志望した理由は、実務から法律のことも含め様々なことを学びたいと思ったからです。インターンシップ前に取り組んだことは特にありませんが、民法の教科書を読んでいきました。実習が始まってからは、前日に翌日の予定や内容を教えていただくことができたので、教科書を読んで予習をしたり、教えていただいたことを復習したりしました。しかし、かなり勉強不足であったと思うので反省しています。

 実習中は、主に法律相談や裁判の打ち合わせに同席させていただいたり、裁判や相談で使う資料を一部読ませていただいたりしました。たくさんの相談や打ち合わせに同席させていただいて驚いたことは、回答書や答弁書、訴状や陳述書など、それぞれの事案において多くの書面を作成したりチェックをしたりしなければならないということです。ある程度は予想していましたが、実際に目にすると予想していた以上でした。これらの多くの書面を、事実関係などを整理しながら限られた時間の中で手際よく処理していかなければならないので、改めて弁護士の仕事の大変さというものを実感しました。その他には、普通の裁判と異なり一般には非公開とされている弁論準備手続きや破産の免責手続きを見学させていただいたり、当番付添人制度のシンポジウムを傍聴させていただいたりしました。このシンポジウムには多くの弁護士の先生方が出席されており、難しい内容ではありましたが、間近で先生方の迫力ある報告や質疑応答を傍聴させてもらえたので大変勉強になりました。

 今回インターンシップに参加させていただき、本当に多くのことを学ぶことが出来ました。期間中に損害賠償をめぐる事件についての相談があったのですが、事前に見せていただいた資料をよんでも、このケースにおける損害は特別損害であること、またこの特別損害には予見可能性が認められるのかという問題点があり、この点を今回においてはどのように考えるかが問題であるということを、即座に理解することが出来ませんでした。教科書などに載っている事例と異なり、実際の相談や裁判においては複雑な事情が多々存在します。そのような場合にも様々な事実から何が問題となるかを見極め解決方法を導き出さなければならないので、改めて教科書で勉強するのと実務とは異なるのだと実感させられました。更に、事務所には様々な悩みを抱えた方が相談にこられ、その中でもサラ金・クレジットや破産をめぐる相談が多かったことから、社会の厳しさというものを目の当たりにしたような気がしました。私はまだ社会の一部しか知らないのであるということを改めて認識でき、このことを含め社会勉強もできたのではないかと思います。また、司法研修所の教官の方に裁判官を志したきっかけなど貴重なお話を聞かせていただき、ますますロースクールを目指し勉強に励もうと思いました。短い期間ではありましたが、インターンシップに参加させていただいたことは私にとって本当に有意義であり、よい刺激になりました。

 最後になりましたが、今回私のような未熟な者を受け入れ丁寧に指導してくださった則武先生、岡山合同法律事務所の皆様、またこのような機会を与えてくださった大学の先生方に心より感謝申し上げます。本当にありがとうございました。

富坂幸子司法書士事務所

法学部4年 江原智子

 私は、9月3日から2週間、富阪幸子司法書士事務所でお世話になりました。毎日が新しいことの連続で本当に多くのことを学ばせていただきました。私が今回インターンシップに参加したのは、ずっと司法書士の資格を目指して勉強しているにもかかわらず、司法書士が実際にどのような仕事をしているのか知らなかったため、今回の機会に身近で拝見させてもらいたいと考えたからです。

 今回のインターンシップでは、法務局へ登記申請や謄本の申請に行ったり、市役所へ住宅証明書を発行してもらいに行ったり、税務署へ税金についてのお話を伺いに行ったり、公正役場へ公正遺言の手続きに行ったり、さらには実際に登記申請の書類の作成を手伝わせていただいたりといった様々な経験をさせていただきました。

 インターンシップを通じて学んだことのひとつに、法律家としての心構えがあります。富阪先生は常に「法律家はまず自分自身が法律を守らなければならない。」とおっしゃっていました。「法律を守っていないような法律家は誰も信用しないし、仕事も任せることはできない。」という言葉は法律家を目指す私にとって、とても貴重なものでした。

 またインターンシップを通じて、司法書士は単に登記の申請をするだけではなく、戸籍謄本を読み取って相続人関係図を作成したり、委任状や登記原因情報、株式会社の定款や株主総会議事録を作成したりと、今まで司法書士の仕事ではないと思っていた仕事がたくさんあることを学びました。そして、依頼人の話を聞きながら依頼人が最も望んでいるような不動産の申請をすることはとても難しいということもよく分かりました。依頼人が不動産の贈与の登記をしてほしいと依頼してきても、税金のことをよく知らない依頼者も多いので、司法書士が税金について説明し、より低いコストで依頼者の希望に合う方法があるかどうかを考えなければなりません。私が考えていた以上に、司法書士には幅広い知識が必要だということ感じました。

 短い間でしたが、とても多くのものを得ることができた2週間でした。司法書士という仕事について具体的なイメージを持つことができ、参加する以前に比べて、よりいっそうこの仕事をやってみたいと感じています。

 最後になりましたが、お忙しい中私を受け入れてくださり、親切にたくさんのことを教えてくださった富坂司法書士事務所の皆様には感謝の気持ちでいっぱいです。また、このような貴重な機会を与えてくださったインターンシップ実行委員会の先生方にも心から感謝しています。この場をお借りして、感謝申し上げます。本当にありがとうございました。