ワンヘルス・アプローチでアトピー性皮膚炎に切り込む!!

「ワンヘルス」って知っていますか? ワンヘルスは、人、動物、環境の健康を維持することを目的とした、共同的かつ学際的なアプローチであり、持続可能な開発に貢献するものです。ワンヘルス・アプローチに基づく研究といえば、薬剤耐性をイメージする方も多いと思います。しかしながら、最近、ワンヘルス概念は、広く他の分野にも拡大され、アレルギー学の中でもワンヘルス・アプローチで研究することが提言され始めました。

 

アトピー性皮膚炎は、かゆみのある湿疹が慢性的に良くなったり悪くなったりを繰り返すアレルギー疾患です。ペット業界の問題となる病気の1つがアレルギーで、イヌではアトピー性皮膚炎がよく問題となっています。イヌのアトピー性皮膚炎は、ヒトのアトピー性皮膚炎と病態が非常に似ています。

 

皆様ご存じのように、私達は沢山の細菌に囲まれて生きています。皮膚、口、腸内に至るまで細菌が生息しており、私達の体に何らかの影響を与えています。そのため、細菌叢の存在は無視ができません。アトピー性皮膚炎に罹患すると、皮膚の上では、細菌叢が大きく変化します。ヒトの研究では、口や腸内の細菌叢もアトピー性皮膚炎で変化することが知られています。しかしながら、イヌでは、口や腸内でどのように細菌叢が変化するかは明らかになっていませんでした。

 

今回、私達は、柴犬を利用して、アトピー性皮膚炎に関連した口腔・腸内細菌叢の解析を行いました。

 

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2022年09月07日