本学学術研究院医歯薬学域(医学系)腫瘍微小環境学分野の冨樫庸介教授が、国立研究開発法人日本医療研究開発機構(AMED)の「令和5年度次世代がん医療加速化研究事業」に採択され、9月15日にAMEDホームページに公開されました。
同事業は、がんの本態解明に迫る「真理の探究」、「基本原理の解明」や「新たな知の発見、創出や蓄積」の深化を図り、治療・診断の標的としての妥当性を検証することで、それらの基礎的研究成果を踏まえた次世代がん治療・診断法の迅速な社会実装に向けた研究開発を加速・展開を目指すものです。
今回、冨樫教授は本事業の研究領域C(免疫システム創薬)「がん細胞と免疫担当細胞の多面的相互作用の理解に基づく革新的治療法の研究」の区分において、「時空間的ミトコンドリア免疫代謝異常の解明とその制御による新規治療開発」という題目のもと、申請のあった39課題から採択された5課題のうちの一つに選ばれました。令和5~7年度までの期間、研究チームを率いることになります。
今回の採択を受けて冨樫教授は、「本研究は過去から今に至るまでAMED等にご支援いただいた研究で見出したミトコンドリアという細胞内小器官のがん免疫における新しい役割から着想を得たものです。今までのご支援に感謝するとともに、本研究から新たな治療薬等に繋げ多くの患者さんに還元できるよう努力いたします」とコメント。3年間の研究活動に意欲を見せました。
冨樫教授は、国立研究開発法人科学技術振興機構(JST)が実施している若手研究者支援事業である「創発的研究支援事業」※の採択者でもあり、本学のみならず我が国の若手研究を先導する一人です。今回の採択により、本学の強みである医療系の研究開発力の強化や次世代を拓く若手研究者の育成を推進します。今後の冨樫教授らの研究チームの活動にご期待ください。
※JST「創発的研究支援事業」
特定の課題や短期目標を設定せず、多様性と融合によって破壊的イノベーションにつながるシーズの創出を目指す「創発的研究」を推進するため、既存の枠組みにとらわれない自由で挑戦的・融合的な多様な研究を、研究者が研究に専念できる環境を確保しつつ、原則7年間(途中ステージゲート審査を挟む、最大10年間)にわたり長期的に支援する事業です。
【本件お問い合わせ先】
学術研究院医歯薬学域(医学系)腫瘍微小環境学分野
教授 冨樫庸介
TEL:086-235-7390
岡山大学 学術研究院 医歯薬学域 腫瘍微小環境学分野
冨樫教授(医)がAMED「令和5年度次世代がん医療加速化研究事業」に採択
2023年10月06日