国立大学法人 岡山大学

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研究現場の生の声を聞き技術職員のスキルアップを図るTCカレッジ「医工系コース」での研究室見学を実施

2023年12月22日

 本学総合技術部は、11月21日に本学津島キャンパスの4箇所の施設・研究室で、6月から高度技術職員養成のために開講しているTCカレッジ「医工系コース」の必修カリキュラムのひとつである研究室見学を実施しました。本カリキュラムは、研究現場の「生の声」を聞き、技術職員の研究支援とマネジメントに対する知識と意識の向上を図り、研究者との相互関係をより強固なものにすることを目的としています。
 開講にあたり、TCカレッジ医工系コースの監修教員である自然生命科学研究支援センター分析計測・極低温部門分析計測分野の多田宏子教授のあいさつがあり、その後、受講生と関係者は各施設の見学や担当者との意見交換を行いました。
 はじめに学術研究院環境生命自然科学学域の内田哲也教授が高性能走査プローブ顕微鏡と色素結合薄膜型(光電位変換結合ポリエチレン薄膜型)人工網膜の開発について説明。受講生らは、実機と岡山大インキュベータ 内に設置されているクリーンルームを見学しました。次に生殖補助医療技術教育研究(ART)センターの舟橋弘晃教授から不妊治療や胚培養士の重要性についての説明の後、実機であるフローサイトメーターやリアルタイムPCR、その他の共用機器とマイクロマニュピュレーターを実験で使用している様子を見学しました。続けて自然生命科学研究支援センターゲノム・プロテオーム解析部門の宮地孝明研究教授の案内で質量分析やDNAシーケンサーや共焦点顕微鏡等の共用機器を見学し、機器担当の学生マイスターの皆さんも交えてディスカッションを行いました。最後に多田教授の案内で自然生命科学研究支援センター分析計測・極低温部門分析計測分野 のLC/QTOF質量分析システムやFE-SEM、X線回折装置群、元素分析装置を見学し機器担当の技術職員やサイテック・コーディネーターらから詳細な説明がありました。また、学生マイスターからは研究内容についての説明もありました。FE-SEMにおいては遠隔操作による実習体験も行いました。
 いずれの施設、研究室でも当初の予定時間では収まらないほどの活発な意見交換が行われ、受講生の楢崎正博技術専門職員は「さまざまな研究室・施設見学を通じて貴重な経験を得る機会となりました。また他部署・施設の方々の話を聞けたことも有益でした。学んだことを今後の業務に活用していきます」とコメント。また塚野萌美技術職員は「津島地区から受託業務をいただくこともあり、今回見学の機会をいただき大変嬉しく思いました。実際にお話をお伺いし、実験の様子を見学させていただいたので、今回得た経験をもとに、より研究内容に沿った支援ができるようになりたいと思います」とコメントしました。
 今回の開催について、総合技術本部長を務める佐藤法仁副理事・副学長・URAは「本学では技術職員を『支援者』ではなく『パートナー』と位置づけ、『機器共用促進を含む設備整備等の研究環境の質向上と研究に従事する者のパートナーとしての技術職員の人材育成強化』という点を岡山大学研究ポリシーに明記しています。より良いパートナーであるためには高度な知と技が必要であり、また異分野の視点も必要です。今回の分野横断的な知の探究はスキルアップだけではなく、新たな新結合(イノベーション)を生む土壌づくりとも言えます。今後、さまざまな場面を生かし、人材と組織の強化促進を図り、研究力・イノベーション創出強化を図りたいと思います。最後に今回ご協力いただいた自然生命科学研究支援センター分析計測・極低温部門分析計測分野、岡山大インキュベータ、生殖補助医療技術教育研究(ART)センター、自然生命科学研究支援センターゲノム・プロテオーム解析部門の関係者の皆様に深く感謝を申し上げます」と今後の総合技術部の活動への意欲を述べました。
 なお、12月には鹿田地区の研究室・施設の見学を行う予定です。今後も地域と地球の未来を共創し、社会変革を実現させる研究大学:岡山大学の一翼を担う本学総合技術部の取り組みにご期待ください。

TCカレッジ
 令和3年度から東京工業大学で始まった技術職員を対象とした高度人材育成のためのプログラムで、高い技術力・研究企画力を持つ技術職員をテクニカルコンダクター(TC)として認定する制度です。本学も参画しており、本年度は「医工系コース」を本学が試行しており、来年度からの本格運用を目指しています。

<参考>
TCカレッジ岡山大学サテライト校「医工系コース」開講 ~技術職員の「高度専門人材養成」を強化促進~

【本件問い合わせ先】
岡山大学総合技術部 医学系技術課(医工系コース担当) 阿部匡史
TEL:086-235-7125
HP:岡山大学総合技術部

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