国立大学法人 岡山大学

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MVA2023アウトリーチイベント「月に杜を創ろう~木と野菜から生まれる自給自足エコシステム~」を開催

2023年12月25日

 12月9日にMoon Village Associationが主催する国際会議「7th Global Moon Village Workshop & Symposium」に連動して本学が共催するアウトリーチイベント「月に杜を創ろう~木と野菜から生まれる自給自足エコシステム~」が岡山市の杜の街グレースオフィススクエアにて開催され、岡山県内外から約200人が来場しました。本イベントは月や火星など宇宙での自給自足による持続的エコシステムの構築に向けた多彩な視座の融合と共創を重要なテーマとして、中高生を含む一般の方と人類の夢や希望を広く共有することを目的に、一般財団法人日本宇宙フォーラム理事長の藤木完治氏をはじめ、京都大学特定教授で宇宙飛行士の土井隆雄氏、JAXA宇宙科学研究所准教授の吉川真氏、同研究所助教の春山純一氏や大成建設株式会社の庄司研氏が登壇し、講演しました。
 講演のほかにも、本学の那須保友学長と自然生命科学研究支援センターの中村栄三特任教授を交えた公開フォーラム「フロンティア~人は月の杜で夢を見る~」では、質疑応答の時間に、月や火星での自給自足という人類共通のテーマのもと、大学・民間企業の研究者や一般の方々と活発な意見交換が行われました。宇宙に興味・関心があるという小学4年生の参加もあり、世代や分野を超えた多様な視点から議論を深めることができました。
 当日は中村特任教授の最先端の研究成果である小惑星リュウグウの試料を基に合成された土で栽培された野菜を展示しました。この野菜は、12月7日に倉敷市の大原美術館で開催された「7th Global Moon Village Workshop & Symposium」のバンケットで、参加者にサラダとして世界で初めて振る舞われたものです。そのほかにもソビエト連邦の無人月探査機ルナ16号、20号、24号により採取された「月の砂」や、2024年3月に打ち上げ予定の「木造人工衛星模型」の展示や、会場から鳥取県三朝町の本学惑星物質研究所にある電子顕微鏡を遠隔操作し、小惑星リュウグウの試料を観察する体験も実施。宇宙に関する最先端の研究成果を目で見て、触って学ぶことができる機会となりました。
 来場者の高校生からは「小惑星をはじめとし、鉄や水などの資源が宇宙にあるということを学べて、これからのビジネスや宇宙の可能性について深く考える事ができました」という感想や、50代の方からは「興味深いお話と展示でした。月と火星に杜ができる日が待ち遠しいです」、60代の方からは「地球環境が汚染されていくことが懸念され、食糧事情がどんどん変わっていく中、自給自足のエコシステムは画期的な取り組みだと思います」といった子どもから大人まで多数の意見や感想が寄せられ、地球外に住むことに関連して、環境問題や産業開発など幅広い視点で考えるきっかけとして、イベントは盛況のうちに終えることができました。
 本学では惑星科学・宇宙物理分野を「岡山大学最重点研究分野」の一つに定めており、人類が地球外の月や火星で自給自足の生活を送ることができる時代が目の前に迫る中で、社会変革を起こす力を地域、世界とともに育み、人類社会の持続的進化のための新たなパラダイムを構築することを目指し、引き続き、同分野の研究を推進していきます。

【本件問い合わせ先】
惑星物質研究所 庶務担当
Email:eee0502◎adm.okayama-u.ac.jp
※◎を@に置き換えてください。 

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