国立大学法人 岡山大学

LANGUAGE
ENGLISHCHINESE
MENU

尾﨑敏文教授(医)がAMED「令和6年度革新的がん医療実用化研究事業」に採択

2024年04月11日

 本学学術研究院医歯薬学域(医学系)整形外科学教室の尾﨑敏文教授が、国立研究開発法人日本医療研究開発機構(AMED)の「令和6年度革新的がん医療実用化研究事業」(一次公募)に採択され、3月22日にAMEDホームページに公開されました。
 同事業は、研究成果を確実に医療現場に届けるため、主に応用領域後半から臨床研究領域において、革新的な診断・治療等、がん医療の実用化を目指した研究を強力に推進し、がんの本態解明からこれに基づく革新的な治療薬や診断・予防のためのバイオマーカーなどの開発・実用化を目的とした研究の加速を目指すものです。
 今回、尾﨑教授は本事業の「希少がんの標準的治療法の確立のための臨床研究」の区分において、「高リスク後腹膜肉腫に対する標準治療法開発のための国際多施設共同臨床試験」という題目のもと、申請のあった11件の中から採択3件のうちのひとつに選ばれ、令和6~8年度までの期間、研究チームを率いることになります。
 今回の採択を受けて尾﨑教授は、「後腹膜肉腫は発生頻度の低い希少がんで、これまで治療に関する高いレベルのエビデンスはありませんでした。欧州がん研究治療機構(EORTC)により、2021年から術前化学療法の有用性を検証する国際多施設共同ランダム化第III相試験(STRASS2)が開始され、その後、米国(ECOG/ACRIN)、カナダ(CCTG)、オーストラリア・ニュージーランド(ANZSA)が本試験に参加しました。日本臨床腫瘍研究グループ(JCOG)骨軟部腫瘍グループも、2023年12月よりJCOG2214INT試験「高リスク後腹膜肉腫に対する術前補助化学療法の意義に関するランダム化比較第III相試験(STRASS2)」として本研究への参加が始まりました。研究事務局は国立がん研究センター中央病院の岩田慎太郎先生が担当し、岡山大学からは藤原智洋医師がJCOG-EORTC間の連絡メンバーの一員として参加しております。本試験への参加にあたり、EORTCおよびJCOGデータセンター、さらには国立がん研究センター中央病院臨床研究支援部門の御支援を得て、プロトコールを含む必要書類の日本語訳や日本の規制に準拠するような国内の特記事項などを作成しました。説明同意文書は、EORTCの文章を翻訳したものをもとに、患者会のご協力をいただき完成しました。大規模臨床試験の実施が困難な希少がん分野において、国際共同試験への参加は、我が国のプレゼンスを示すためにも非常に重要だと思います。また、今後の他の希少がんにおける本邦から国際共同試験への加入を促進するものと期待されます」とコメント。3年間の研究活動に意欲を見せました。
 本学では研究分野における「最重点研究分野」を定めており、そのひとつにヘルスケア分野があります。また本学が採択を受けている文部科学省「地域中核・特色ある研究大学強化促進事業(J-PEAKS)」(実施主体:日本学術振興会)でも人々の生活をより良くするための社会変革を起こし、ウェルビーイングの向上等を戦略的に進めています。尾﨑教授らの取り組みもこれらに寄与する重要な事業です。引き続き、尾﨑教授と地域中核・特色ある研究大学:岡山大学の取り組みにご期待ください。

【本件問い合わせ先】
学術研究院医歯薬学域(医学系)整形外科学教室 教授 尾﨑敏文
TEL:086-235-7273
岡山大学整形外科学教室

年度