本学技術統括監理本部を構成する組織のひとつである総合技術部は6月17日、津島キャンパスの環境理工棟会議室において、テクニカルリサーチャー(TR)の辞令交付式を開催しました。
TRは、本学独自の取り組みで、大学院生を技術補佐員として雇用し、総合技術部における技術業務および教育支援業務等の補佐を行います。本学における技術力基盤の強化を図るとともに、学生の研究力・指導力を磨きつつ、自身が持つ技術を業務へ適応させる能力を向上させ、次世代の技術職員や社会変革を成すナレッジワーカー等の育成強化を目的としています。
辞令交付式では、技術統括監理本部技術副総監・技監であり、総合技術部の田村義彦部長から本学初のTRとなる4人に対して、辞令が交付されました。田村技術副総監・技監・部長は、「皆さんは今年度からスタートするテクニカルリサーチャーの1期生です。この取り組みによって実践力を身につけて頂き、総合技術部のみならず、岡山大学全体の技術基盤も強化できるよう組織の一員として業務に従事してください」とあいさつしました。また、4人の配属課でもある設計製作・社会基盤技術課の堀格郎課長からは「新しい環境でお互いに学びながら成長していきましょう」と激励の言葉が述べられ、その後、TRたちは自己紹介と今後の意気込み等について発表しました。
今後TRの4人は、自身の講義・実習や研究等とのバランスを調整管理しつつ、本学工学部創造工学センターの工作センターを主な業務場として、委託設計や製作、センター利用者に対する講習や技術指導、学生実習の補助業務、出前実験をはじめとする地域貢献活動等、さまざまな業務に従事します。
今後、総合技術部では、設計製作・社会基盤技術課以外の課(医学系技術課、教育支援技術課、機器分析・動植物資源技術課)でも、高いモチベーションを持った意欲ある大学院生を募集する予定にしており、TRを生かした活動を強化します。
今回のTRの始動について総合技術部本部長である佐藤法仁副理事・副学長・上級URAは「本学研究・イノベーション共創機構の機器共用推進本部では、研究設備の操作等に習熟した学生が共同利用研究設備の技術サポートを行う学習プログラム『学生マイスター制度』を既に運用していますが、今回のテクニカルリサーチャーは次世代の技術職員等を育成するために、実際の技術職員とほぼ同等の業務を行う中で実践スキルを磨くとともに、卒業後のキャリアを明確にしていきます。わが国の国立大学法人における技術職員のあり方は、財政的な厳しさや業務等の改善の遅れなどで大きな転換点を迎えています。本学は地域中核・特色ある研究大学:岡山大学として、わが国の大学・研究機関初となる技監制度の実施など、技術職員の高度化を強力に推進しています。今回のTRの初挑戦もその一環です。次世代の技術職員を育成するともに、その取り組みをフィードバックし現在の技術職員も同時に高度化し、研究基盤の強化、そして知識によって社会を変革できるナレッジワーカーの育成・輩出を進めます」と、今後の方針も含めてコメントしました。
本件は、本学が昨年度に採択された文部科学省「地域中核・特色ある研究大学強化促進事業(J-PEAKS)」(実施主体:日本学術振興会)の一環である研究基盤の強化等に資する取り組みでもあります。従来の習慣や思考に捉われず、さまざまな制度等を素早く企画・立案・実行し、かつ改善していくことで、わが国の研究力とイノベーション創出強化、そしてナレッジワーカーの輩出を推進、先導します。岡山大学はどんどん変わっていきます。
引き続き、地域中核・特色ある研究大学:岡山大学と岡山大学技術統括監理本部、総合技術部へのご支援と、テクニカルリサーチャー(TR)の活躍にご期待ください。
〇今回、テクニカルリサーチャーに任命された4人
緒方隆太さん(大学院環境生命自然科学研究科博士前期課程2年)
小倉正太さん(大学院環境生命自然科学研究科博士前期課程2年)
門脇唯菜さん(大学院ヘルスシステム統合科学研究科博士前期課程2年)
市川航輔さん(大学院環境生命自然科学研究科博士後期課程1年)
【本件問い合わせ先】
岡山大学総合技術部 事務室
E-mail:sougougijutsubu◎adm.okayama-u.ac.jp
※◎を@に置き換えてください。
https://www.okayama-u.ac.jp/user/techall/
総合技術部テクニカルリサーチャー(TR)の辞令交付式を開催〜地域中核・特色ある研究大学:岡山大学の基盤強化と次世代技術人材の実践的育成を開始〜
2024年06月28日