8月1日、本学総合技術部主催の「放射光利用連携Workshop~放射光を利用してみませんか~」を本学津島キャンパスの創立五十周年記念館での現地開催とオンラインでのハイブリッド形式で開催しました。本学の研究者以外に全国から大学・研究機関や企業などから106人が参加しました。
本Workshopは、大型放射光施設「SPring-8」や公益財団法人佐賀県産業振興機構佐賀県立九州シンクロトロン光研究センター(SAGA-LS)などの放射光施設を初めて利用する研究者や技術者(技術職員)、企業関係者を対象に、本学が新たに開始する「放射光施設利用サポートサービス」や、放射光を活用した最先端分析技術の紹介を通して、産学官の連携強化と研究促進を目的に開催しました。
冒頭、本学の佐藤法仁副理事・副学長・総合技術部本部長・上級URAからイベントの趣旨説明とともに同日の午前に締結された本学とSAGA-LSの協定について説明しました。続いて第1部では、本学総合技術部の堀金和正サイテックコーディネーターが本学が提供する放射光利用分析サポートサービスや、学内共用機器を検索できるCFPOU(コアファシリティー)を紹介しました。その後、公益財団法人高輝度光科学研究センター(JASRI)産学総合支援室の筒井智嗣主幹研究員がSPring-8とNanoTerasuについて、SAGA-LSの廣沢一郎所長がSAGA-LSについて、それぞれの装置紹介を行いました。廣沢所長は、地域の特性を含め佐賀県の地域産業等との連携事例について講演しました。
第2部では、放射光利用の現場からの紹介として、本学異分野基礎科学研究所の沼本修孝准教授(特任)が本学クライオ電子顕微鏡と放射光施設を利用した相関構造解析について、東成エレクトロビーム株式会社の西原啓三部長が中小企業が放射光施設を使用する価値と課題について、東北大学大学院農学研究科・農学部の日高將文助教が農産物・食品・生物試料解析における放射光の可能性について、JASRIの渡辺剛主幹研究員が放射光X線吸収分光・散乱測定を用いた有機薄膜デバイスの評価について、それぞれ放射光の特性を含めた事例実績等について詳細に紹介し、参加者と活発な意見交換が行われれました。
同Workshopを通じて、各施設の利用方法や分析事例が共有されただけでなく、参加者間の交流が深まり、今後の放射光を核とした共同研究や技術連携のきっかけが生まれました。本学が地域中核・特色ある研究大学として、さまざまな取り組みを推進する中で、そのひとつとして放射光をはじめとする先端分析技術の普及と、産学官連携の推進に戦略的に取り組んでいきます。引き続き、岡山大学と放射光施設、そしてその研究にご期待ください。
なお、本件は、本学が採択されている文部科学省「地域中核・特色ある研究大学強化促進事業(J-PEAKS)」(実施主体:日本学術振興会)の取り組みのひとつとして実施されています。
<参考>
・九州シンクロトロン光研究センターと相互協力に関する覚書を締結~先端的な研究基盤・人材・知見の利活用を目指して~
・岡山大学における「放射光」利用の強化促進について~九州シンクロトロン光研究センター(SAGA-LS)との連携と期待~(2025年8月19日実施定例記者会見資料)
【本件問い合わせ先】
総合技術部 放射光利用サポート担当
E-mail:sp8-renkei◎okayama-u.ac.jp
※@を◎に置き換えています。
総合技術部HP
「放射光利用連携Workshop」を開催~放射光を核とした産学官連携による研究力・イノベーション創出強化へ~
2025年09月02日