国立大学法人 岡山大学

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文部科学省大臣官房審議官らとの意見交換 研究マネジメント人材育成・地域医療の未来を議論

2025年10月06日

 9月26日、文部科学省の先﨑卓歩大臣官房審議官(高等教育局担当)と小林寛和法規係長(高等教育局国立大学法人支援課)が本学を訪れ、那須保友学長らと意見交換し、学内を視察しました。当日は那須学長のほかに河本雅紀研究・イノベーション共創機構筆頭副機構長、宇根山絵美学術研究推進本部長・上級URA、松本匡史研究統括IR・主任URA、田村義彦総合技術部長、堀格郎同部設計製作・社会基盤技術課長、原田大作総務部長、齋喜徳史財務部長らも出席しました。
 本学は、2023年度に採択された文部科学省「地域中核・特色ある研究大学強化促進事業(J-PEAKS)」(事業主体:日本学術振興会)を活用し、岡山大学長期ビジョン2025の達成に向けたさまざまな取り組みを戦略的に進めています。
 意見交換では、那須学長が、J-PEAKS事業を学内に浸透させるため、各部局の教職員を対象に、積極的に講話と対話を行っている状況を説明。J-PEAKSを通じた改革、技術職員の組織化と高度化、URAの育成、18歳人口の減少を見据えて地域の高等教育へのアクセス確保とそれを推進するプラットフォームの在り方など、幅広いテーマについて議論を交わしました。技術職員については、2023年度より、「岡山大学総合技術部」を始動し、人事の統一管理と人的リソースの重点配置を実現したことや、現在行っているTCカレッジへの参加に加え、今後は他大学や企業との人事交流による頭脳循環を促進し、相互に学び合う体制を構築していきたいなどの意気込みを語りました。また、URAについても頭脳循環による育成に加え、いかに内部で育成するかという観点も重要になっていることが話題に上がりました。人材確保に向けて、本学ではOU-SPRING(博士課程学生)の学生らを対象に、技術職員(テクニシャン)やURA(高度研究マネジメント人材)という職業を紹介する活動をしていますが、今後は学部学生、さらには県内の高校生などにも周知することで、将来の職業の選択肢として早い段階から意識してもらい人材確保につなげたいとの学長の考えを伝えました。
 先﨑審議官は、アメリカで行われているアドバンストプレイスメント(高校生が大学レベルの学習内容を先取りして学ぶことができるプログラム)の取り組みを紹介。地域と連携した高校生の教育についても期待が寄せられました。本学では、J-PEAKSの関連機関である津山高等専門学校や地域の工業高校などと連携し、18歳以下人口が減少するなかでも、進学先として選ばれる大学となるように取り組みを進めていることを説明しました。
 その後、異分野基礎科学研究所共創イノベーションラボ(きびのべ:KIBINOVE)を視察。最新の研究設備であるクライオ電子顕微鏡およびクライオ電子トモグラフィーを見学しました。学術研究院先鋭研究領域(異分野基礎科学研究所)の沼本修孝准教授が、設備や共用状況を説明しました。先﨑審議官はクライオ電子顕微鏡の利用予定が3カ月先まで埋まっていることに対する驚きと、11月に開始する予定のクライオ電子トモグラフィーの共用化への期待を話しました。
 その後、鹿田キャンパスに移動し、文部科学省高等教育局医学教育課大学病院支援室の梅田稔子病院第一係長とともに岡山大学病院を視察。前田嘉信病院長ら院内関係者と病院の取り組みや国立大学病院全体の経営の厳しさなどについて意見交換を行いました。ゲノム医療総合推進センターやICU・CICU(病室)、核医学診療室も訪問し、医療機器の導入状況や診療・研究体制等について説明し、意見を交換しました。また、国立大学病院の経営課題への関心が高まっていることから、老朽化が進む施設・設備の現状についても、病院としての維持管理体制や今後の更新計画について意見が交わされました。先崎審議官からは「大学病院の地域医療や次世代医療人材育成に果たす役割は大きいため、現在の厳しい状況に対する支援の在り方等検討を行っているとコメントがありました。
 本学はJ-PEAKSを活用し、研究開発マネジメント人材(URA、事務職員、技術職員等)の高度化、研究機器の共用化などをより一層進め、新たな研究・イノベーション創出から社会を変革していきます。どうぞ地域中核・特色ある研究大学:岡山大学の絶え間ない挑戦とその変革にご期待ください。

<参考>
岡山大学 地域中核・特色ある研究大学強化促進事業(J-PEAKS)ホームページ


【本件問い合わせ先】
総務部 総務課
TEL:086-251-7007

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