本学では、鈴木大介教授(学術研究院環境生命自然科学学域)に「卓越教授」、衣笠秀明助教(学術研究院医療開発領域)に「研究准教授」の称号を付与しました。8月25日に称号付与式を開催し、那須保友学長より認定証が手渡されるとともに、両氏の研究内容について紹介を行いました。
○鈴木卓越教授の研究について
鈴木卓越教授は、水を多く含む柔らかな「ゲル微粒子」を設計し、それらを組み合わせて新しい機能を持つ材料を創り出す研究を行っています。特に、生き物の細胞のように環境に応じて性質が変化するソフトマテリアルや、ナノレベルで構造を制御した高機能材料の開発を得意としています。高速原子間力顕微鏡などの先端技術を活用して微粒子の構造や振る舞いを解明し、泡やエマルションの安定化、自律的に動く材料、医療や環境分野で活躍する機能性材料の創製などに取り組んでいます。さらに近年は、温和な条件かで分解速度を制御できる環境調和型高分子材料の研究や、使用済みタイヤから高性能なカーボン材料を再生する国家プロジェクトにも参画しています。これらの研究を通じて、資源循環と環境保全を両立しながら、医療や産業を支える次世代材料の創出を目指しています。
○衣笠研究准教授の研究について
衣笠研究准教授は、消化器内科の診断技術革新を担う「AI内視鏡」の開発に取り組んでいます。従来の色素内視鏡検査では、大腸ポリープやがんの観察を鮮明にするために、色素を大腸内に散布する必要がありました。しかし、この色素散布は検査時間の増加や患者さんの負担を高める要因となっていました。衣笠研究准教授は、深層学習AI(CycleGAN)の技術を用いることで、通常の内視鏡画像から色素を散布したときと同等の鮮明な画像をリアルタイムで生成する「バーチャル色素内視鏡(Virtual Chromoendoscopy)」の開発を進めています。この技術により、色素散布が不要となり、検査の効率化と患者さんの負担軽減が実現します。現在、このAI画像生成技術が実際の色素内視鏡検査と同等の診断精度や安全性を有するかを臨床試験で検証しており、将来的にはAI医療機器としての薬事承認と国際的な社会実装を通じて、高度ながん診断をより多くの患者さんへ届けることを目指しています。
○これまでに研究教授・研究准教の称号を付与された方の一覧はこちら
○岡山大学卓越教授制度について
岡山大学では、本学の研究力を牽引する教授陣が、長期的・戦略的な視座を持って研究を推進できるよう全学的な支援を行っています。極めて顕著な業績を有する教授に対し「卓越教授」の称号を付与する制度を2026年4月から開始しており、国際的に卓越した研究成果の創出に向けた環境整備や支援を実施しています。
○岡山大学研究教授・研究准教授制度について
岡山大学では、将来の本学研究力を担う研究者の早期育成とステップアップを目的に、全学的な支援を行っています。優れた業績をあげる准教授に対しては「研究教授」、講師・助教に対しては「研究准教授」の称号を付与し、挑戦的な研究活動の加速とキャリア形成を強力に後押ししています。
【本件問い合わせ先】
岡山大学 研究・イノベーション共創機構
TEL:086-251-8405
鈴木大介教授に岡山大学「卓越教授」、衣笠秀明助教に「研究准教授」の称号を付与
2026年10月29日