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Okayama University Medical Research Updates(OU-MRU) Vol.43 発行

 本学は9月11日、本学の強みである医療系分野の研究成果について、革新的な基礎研究や臨床現場、医療産業等に結びつく成果を英語で情報発信するWebレター「Okayama University Medical Research Updates(OU-MRU)」のVol.43を発行しました。
 2012年より本学では、研究成果や知的財産活動などを英語で情報発信するWebマガジン「Okayama University e-Bulletin」を年4回発行。国際科学雑誌「Science」を扱うAAAS(米国科学振興協会)のメーリングリストを利用し、世界の研究者等にニュースやトピックスを交えて配信し、本学の海外への情報発信を強化と国際的知名度の向上を推進しています。
 OU-MRUは、e-Bulletinの姉妹誌として、強みある医療系分野の更なる増強と本学研究者が同分野で発表したイノベーティブな研究成果を世界にタイムリーに発信するために発行しています。
 本号では、大学院自然科学研究科(工学系)ナノバイオシステム分子設計学研究室の妹尾昌治教授と笠井智成講師らの、iPS細胞によるがん研究から新たな世界初の研究成果である「がん幹細胞は自らがん微小環境の細胞を作り出す」について紹介しています。
 がん組織は、がん細胞とそれらを取り囲むさまざまな種類の間質細胞で構成されています。特に間質細胞である「がん関連線維芽細胞(cancer associated fibroblast:CAF)」は、固形がんの間質組織を構成する細胞成分の中で、量的にもっとも多い細胞です。近年、CAFはがんの微小環境を作り、その環境下でがん細胞の増殖促進に働くさまざまな増殖因子を産生し、がん細胞との相互作用の関係が重要視されていましたが、その起源の詳細は明らかになっていませんでした。
 妹尾教授と笠井講師らは、ヒトの乳がんに由来する細胞株を培養した液体の上清を用いて、マウスのiPS 細胞を培養し、iPS細胞をがん幹細胞へ誘導しました。そして、この誘導されたがん幹細胞が、がん組織の主体となるCAFに形を変え成長することを世界で初めて発見しました。
 がんは私たちの生命を脅かす存在であり、死亡率の最も高い疾患です。本研究成果は、これまでのがん研究や治療研究をさらに進化させるものであり、新しい研究の方向性を示すものとして大いに貢献することが期待されます。
 本学は、平成25年8月に文部科学省がわが国のさらなる大学研究力向上や国際的な研究競争力強化等のために全国の大学・研究機関から選定した、「研究大学強化促進事業」の選定大学(国内19大学)です。世界で研究の量、質ともに存在感を示す「リサーチ・ユニバーシティ(研究大学):岡山大学」の構築のため、強みある分野の国際的な情報発信を力強く推進していきます。また、強みある医療系分野から生み出される成果を社会や医療現場が求める革新的技術として、より早く届けられるように研究開発を推進していきます。
 なおOU-MRUは、文部科学省「研究大学強化促進事業」の一環として実施しています。

Okayama University Medical Research Updates(OU-MRU) Vol.43:Potential origin of cancer-associated cells revealed


<Back Issues:Vol.36~Vol.42>
Vol.36:Overloading of protein localization triggers cellular defects (異分野融合先端研究コア 守屋央朗准教授)
Vol.37:Protein dosage compensation mechanism unraveled (異分野融合先端研究コア 守屋央朗准教授)
Vol.38:Bioengineered tooth restoration in a large mammal (大学院医歯薬学総合研究科(歯学系)窪木拓男教授)
Vol.39:Successful test of retinal prosthesis implanted in rats (大学院医歯薬学総合研究科(医学系)松尾俊彦准教授、大学院自然科学研究科(工学系)内田哲也准教授)
Vol.40:Antibodies prolong seizure latency in epileptic mice (大学院医歯薬学総合研究科(医学系)西堀正洋教授)
Vol.41:Inorganic biomaterials for soft-tissue adhesion (大学院医歯薬学総合研究科(歯学系)松本卓也教授)
Vol.42:Potential drug for treating chronic pain with few side effects (自然生命科学研究支援センター 宮地孝明准教授)


<参考>
Okayama University e-Bulletin://www.okayama-u.ac.jp/user/kouhou/ebulletin/

【本件問い合わせ先】
広報・情報戦略室
TEL:086-251-7293
E-mail:www-adm@adm.okayama-u.ac.jp

(17.09.12)


本号で紹介した研究成果を担当した妹尾昌治教授と笠井智成講師(右)


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