国立大学法人 岡山大学

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IB生の声

 岡山大学にIB入試で入学した学生たちの声を集めました。
 母校でのIB教育の経験や岡山大学に進学した理由、岡山大学での活躍、今後の進路など、IB生たちのホンネを紹介します。
※所属、学年等は掲載当時のものです。

岡山大学で探求中!帰国子女として感じた社会の違和感とは?

グローバル・ディスカバリー・プログラム3年 長谷元紀さん
長谷さん

―IB校について
 親の仕事の都合でヨーロッパの学校を転々とし、9歳の時に日本へ帰国しました。公立の小中学校に通い、高等専門学校で2年が過ぎたころ、少し焦りを感じたことを覚えています。自分には「ヨーロッパで日本人として育てられた日本人」としてのアイデンティティがあって、帰国してからは普通の日本人になろうと過ごしてきました。すると、どんどん自分の世界が狭まっているような気がしたんです。そこで1年休学して、ドイツへ留学することに決めました。留学先はIB校のインターナショナル・スクール・フランクフルト。最初は1年間のつもりでしたが、授業や学校生活が充実しており、そのまま残って2年半勉学に励みました。

―IB校での経験
 日本で通っていた高専はルールに従って覚えることがメインの授業でしたが、留学してみると、皆で話し合ったり、先生からアドバイスを貰ったりと考えて学ぶことが多かったです。中でも卒業時にはExtended Essayという、自分が興味のある分野で論文を書く必要があり、当時は日本文学に興味があったので、伊藤計劃著の長編SF小説「ハーモニー」を題材に、文献を読み込みました。日本語で書くのも難しいものを英語で書かなければならないので、言語面では苦労しましたね(笑)でも、分からないときはすぐに調べたり、友達に聞いたりして徐々に慣れていきました。

IB校での経験を生かし、新しい環境で挑戦する

大学院環境生命科学研究科 博士前期課程生物生産科学専攻1年 寺岡真緒さん
寺岡さん

―IB校について
 長野県軽井沢市にあるIB校 インターナショナル・スクール・オブ・アジア軽井沢(ISAK、現:UWC ISAK Japan)を卒業しました。正直、入学時にはIB校の制度を詳しく理解していませんでした(笑)
 ただ、幼少期に両親の仕事の関係で、韓国に暮らしていたことがあり、インターナショナルスクールに通っていたんです。そこでの学校生活が非常に楽しく、インターナショナルスクールに通いたいという気持ちがありました。加えて、ISAKは全寮制で、親元を離れて暮らすことになり、普通の高校とは異なる環境に身を投じてみたいというチャレンジでもありました。

―IB校での経験
 IB校の授業スタイルはどちらかといえば大学に近かったです。自分で選択して、その授業を受けに行く。様々なルーツを持つ先生のもとで学んだので、様々な訛りの英語に触れることができ、最初は戸惑いましたが、自然と英語力が付きました。
 特にTheory of Knowledge(TOK)の授業がお気に入りでした。TOKはIB校に特徴的な、批判的に思考して、「知識」とは何かを探求する授業です。最初の授業の時に、様々な分野(人間関係や音楽、言語、数学、社会)における、「橋とは何か」を考えたのが衝撃的でした(笑)でも、先生や同級生と深く議論した経験は、非常に印象深いですね。

SCRP日本代表選抜大会で優勝、研究に励む

歯学部歯学科4年 棚井 あいりさん
棚井さん

 海外経験が豊富な両親の勧めで、1歳からAoba Japan International School(東京)に通い始めました。また、日本人として日本の文化や習慣も大切にしたいと、インターナショナルスクールが長期休暇の時期は公立の小中学校にも通いました。5歳から始めた「そろばん」は9段で、中学1年から大学進学までの6年間は、現役生ながらアシスト講師として指導も行いました。

 幼稚園から小学5年まではSt. Maur International School (横浜)に通いました。小学6年から高校まで通ったSeisen International School(東京)では、Women's Education Support Committee※1、Volunteer for the Homeless※2、Yearbook Committee※3やSoccer Club(プレイヤー)など12の部活に所属し5つの部活で部長を務め、課外活動にとても積極的に取り組みました。

研究者を目指し、博士後期課程へ進学

大学院自然科学研究科 博士前期課程生物科学専攻2年 関口 学さん
関口さん

 小学校3年生からインターナショナルスクールに通い、高校課程でIBプログラムを受けました。
 岡山大学マッチングプログラムコース(※)に入学しましたが、昔から動物の行動に大変興味があったため、気づいたら理学部生物学科の学生とほぼ同じカリキュラムを受講していました。インターナショナルスクールでは、英語で授業を受けていましたが、大学での日本語での授業が新鮮でした。
 私が入学したときにはIB入試利用者はまだ少なかったのですが、サビナ先生(現IB推進室室長)が、LINEグループを作るなどIB入試利用者の繋がりを築けるような取り組みをしていただけました。私は積極的に参加するタイプではないのですが、変わらず気にかけてくださいますね。

医療面接・現場を英語で再現し、英語能力・医療技術の向上を図る部活動を立ち上げ

医学部医学科4年 瀬谷 海月さん
瀬谷さん

 両親の仕事の関係で、香港で生まれ育ち、高校までインターナショナルスクールに通いました。香港の高校(IB認定校)では、日本人は学年に1人いるかいないかというマイノリティで、様々な国籍の友人と共に学ぶことが出来ました。日本で医療に関して学びたいと考えていたものの、当時IB入試を導入している医学部は多くありませんでした。香港の高校合同の日本語クラスで、サビナ先生(現IB推進室室長)が岡山大学IB入試の紹介を行われたことをきっかけに岡山大学医学部のことを知りました。ただ、香港の高校は5月で卒業のため、4月入学の岡山大学医学部とタイミングが合わず、一旦、9月入学で香港大学の医療系研究学部に入学しました。ただ、岡山大学医学部への思いが断ち切れず、IB入試を利用し、岡山大学医学部へ入学しました。

ネパールに図書館を目標に国際協力学生団体を設立

大学院自然科学研究科 博士前期課程機械システム工学専攻2年 今本 琢さん
今本さん

 広島県のIB課程が選択可能な中高一貫校出身です。IB課程に興味を持ったのは、中学3年生の時にニュージーランドのIB校に留学したことがきっかけです。ものづくりに興味があったため、IB資格を活かし、イギリス、アメリカ、カナダの大学と岡山大学工学部を受験しました。どの大学に進学するか迷いましたが、国内の大学で英語を学び、修士課程、博士課程で海外の大学に行くことも出来ると考え、岡山大学への進学を決めました。

 2015年度から全ての学部でIB入試が行われましたが、私は岡山大学工学部最初のIB入学者でした。初めは戸惑うこともあったのですが、工学部に所属しながら、英語力養成を行うことができるグローバル人材育成コースを受講していたので、さらに自分の英語力を磨くことができました。また、3年生の2学期・夏休みの期間の4ヶ月間、工学部の留学プログラムを利用して、アメリカの大学に研究留学しました。留学先では2年飛び級するような形で、修士課程、博士課程の学生と一緒に研究する機会を得られ、とても良い経験になりました。

生物学の研究を通して、国際社会に貢献したい

大学院自然科学研究科博士前期課程 生物科学専攻1年 塩見 裕希乃さん
塩見さん

 親の仕事の関係で小さい頃から海外生活が長く、ドイツのインターナショナルスクール(IB認定校)に通っていました。IB認定校であることはあまり意識していませんでしたが、大学進学や就職は日本でしたいと思っていたため、IB資格を生かそうと日本でIB入試を行っている大学を探したところ、岡山大学と出会いました。

 IB課程では一般的な高校とはカリキュラムが大幅に異なり、大学の講義に匹敵するようなレポートを何回も課されるなどで苦労もしたことを覚えていますが、その分実力はつきました。当時IB入試を行う大学が少なかった中、岡山大学は積極的にIB入試を行っており、岡山大学はIB生のもつ力を信用してくれているんだと感じたので受験を決めました。また、生物系の学問に興味がありつつも、海外に貢献したいと考えており、そのためには人文科学系の勉強もしておきたい、と悩んでいた自分にとって、いろいろな学部の授業を受けたうえで、自分の専門分野を決められるマッチングプログラムコース(※)の存在も大きかったですね。

IBプログラムの教員として、IB生を導く立場に

教育学部小学校教員養成コース4年 野村 慶太さん
野村さん

 広島県のIB校で学んだ後、進路をじっくりと考えるため、東京で2年間ほど飲食店と小学校の学童指導員として働いて、経営学や教育について学びました。その経験の中で「日本を、多面的な考えをもち、異文化理解のできる国に変えていきたい」という目標を持つようになり、教育に携わりたいと思ったため、教育学部を志望しました。

 僕が受験を考えたころは、国立大学の教育学部でIB入試を行っているのは岡山大学だけで、私立大学を含めてもごくわずかでした。また、岡山大学はIBについて積極的に情報発信していて、IB校での海外の友人もその名前を知っていました。IBの活用・推進に懸ける岡山大学の情熱を感じ、進学を決めました。

頑張っている人を裏から支えたい

文学部人文学科4年 岡田 奏さん
岡田さん

 国内のIB校出身です。IB校で国際社会を学ぶにつれて、かえって自分が日本のことをまだまだよく知らないということを痛感し、大学では日本のことをもっと学びたいと思うようになりました。国内でIB入試を受験できる大学を調べてみて驚いたのは、一部の学部で行っている大学は多数あっても、全学的に取り入れている大学はとても少なかったということ。岡山大学がIB生を歓迎していて、IB校での経験をしっかり評価してくれる大学なのだと心強く感じ、受験を決めました。

 学部での専攻は社会学です。1年のとき、岡山県北で林業体験などを行う「国際インターンシップ」に参加して、県外から移住されて来た方と交流しているうちに、「地域の課題と向き合うのって面白い」と思い、人口減少をはじめとした地域の課題に興味を持ちました。卒業研究では、ある地域と外から関わる人たちが、その地域との関わりを深めていくプロセスをテーマに研究しました。

世界のユース代表として、One Yong WorldやIFMSAで活躍

医学部医学科2年・喜舎場 朝基さん
喜舎場さん

 高校1年まで沖縄で過ごし、2年生から、ユナイテッド・ワールド・カレッジ(UWC)への派遣プログラムに応募。イギリス校でIBのカリキュラムを受講し、世界90カ国から集まった仲間達たちと2年間の寮生活を送りました。UWCでは、シリア人の子から難民キャンプでの生活の話を聞くなど、自分の日常とは全然違う世界のことを身近に感じるきっかけになりました。「英語力を高めたい」「さまざまな国の人のことを知りたい」といった思いからの参加でしたが、この2年間で「紛争地域や発展途上国の人を医療で助けたい」という具体的な目標が定まりました。

 岡山大学医学部には、IB教育の普及に向けた活動や、IB人材の積極的な取り入れを行っていること、国際交流の機会が豊富に用意されていることに魅力に感じて受験しました。岡山大学の医学部は海外のIB校出身者が多く、一口にIB校出身といっても地域や人により全く違う経験や価値観をもっているので、入学してからもとても刺激になりました。

「人と人とを結びつけたい」という夢に向け、ファジアーノと大学生の交流イベントを企画

マッチングプログラムコース4年 児玉 怜さん
児玉さん

 広島で3歳の頃から、高校までの一貫型のインターナショナルスクールに通っており、そこの高校課程でIBプログラムを受けました。岡山大学を受験しようと思ったのは、マッチングプログラムコース(※)の存在です。一つの学問分野にとらわれず幅広い視点をもちたいと思う自分にとって、いろいろな学部の内容を学んだうえで自分の専門分野を決めることができるこのコースはぴったりでした。母校からは岡山大学に進学した人がおらず情報も少なかったのですが、調べていくうちに、グローバル化にも力を入れていると知ってどんどん魅力を感じていきました。家族とあまり遠くに離れたくなかったので、広島に近くて交通の便がいいのも良かったところですね。

 入学後はいろいろな学部の授業を受けた後、元々興味のあった経済学を専門に学んでいます。経済の流れは世の中の動きの根本にあり、社会を知る上でも、自分が希望する生き方を考える上でも、経済を把握することがとても重要だと思ったので。授業の中ではさまざまな企業の社長から話を聞ける機会もあり、将来のビジョンも膨らみました。

英語力を生かして、日本と世界をつなげる人に

医学部医学科6年 住田 まどかさん
住田さん

 岡山大学医学部にIB入試が導入された最初の年に受験しました。IB入試を受けられる日本国内の医学部を探していて、岡山大学に問い合わせた際、とても歓迎してくださったことを覚えています。まだ日本でIB入試を導入している大学が少なかった中、「積極的にIBの良さを広めていきたい」という岡山大学の思いが伝わってきて、受験を決めました。

 親の転勤の関係で中学2年生からシンガポールで暮らしていました。IB認定校に進んだのは、医師を目指しており、日本と世界のどちらでも活躍できるようにという考えからです。IB校のカリキュラムでは、知識を覚えるだけでなく、芸術活動や社会奉仕活動なども必修科目となっており、広い視野を得ることができたと思います。授業の中に、2週間の海外でのボランティア活動を自分たちで全て計画して実施するというものがあり、そこでインドネシアの孤児院を訪れたことが印象的ですね。